12月31日 23時45分〜
 除夜の鐘撞き始め
1月元旦 0:00〜
 修正会法要
1月 2日 10:00〜
 修正会法要
1月 3日 10:00〜
 修正会法要
1月24日 13:00〜
 初不動柴燈
   護摩祈祷法要

平成19年
■新年おめでとうございます 平成19年1月元旦 平成19年1月1日
■あっと言う間のお正月でした 平成19年2月1日
■心ととのえ『春彼岸』 平成19年3月1日
■桜によせて 平成19年4月3日
■五月をむかえて 平成19年5月2日
■「若冲 (じゃくちゅう)」展に行ってきました 平成19年6月4日
■「夏安居(げあんご)」について 平成19年7月6日
■暑中お見舞い申しあげます。(平成19年盛夏) 平成19年8月1日
■9月に思うこと(平成19年秋彼岸) 平成19年9月3日
■ご詠歌のこころ 平成19年10月9日
■十一月を迎えて 平成19年11月3日
■一年のしめくくり 平成19年12月6日

平成28年
◆平成28年のよもやま話
平成27年
◆平成27年のよもやま話
平成26年
◆平成26年のよもやま話
平成25年
◆平成25年のよもやま話
平成24年
◆平成24年のよもやま話
平成23年
◆平成23年のよもやま話
平成22年
◆平成22年のよもやま話
平成21年
◆平成21年のよもやま話
平成20年
◆平成20年のよもやま話
平成18年
◆平成18年のよもやま話
平成17年
◆平成17年のよもやま話

■ 新年おめでとうございます 平成19年1月元旦
 明けましておめでとうございます。
 新年を迎え皆様のご健康とご多幸をお祈り申しあげます。

私たちがこのように幸せに一家そろって初春を迎えることができますのも、すべて父母やご
先祖さまのご恩であり、御仏さまのみ惠みです。皆様お揃いで檀那寺(だんなでら)の本尊
さま、お墓、氏神さまに初詣をされたことでしょう。

 『初詣』は「新年にあたり新しい自分への再生を願うこと」とされています。
再生を願うには過ぎ越し一年の罪穢れをはらい心を清めて、歳神さま(としがみさま・ご先祖
さま)の降臨を待たなければなりません。
歳神さま(ご先祖さま)は門松や床の間の注連飾り(しめかざり)に降りてお出でになるそう
です。 私たちは「お正月」と「お盆」一年に二度ご先祖さまにお帰り願い、共に同じ食べ物
を食し、一家が元気に過ごしていることを見ていただいて、感謝のまことをささげる暮らし
を続けてまいりました。「お雑煮」は「ご先祖さまへの捧げものを私たちも共に戴き、色々
煮炊きしたもの」から名付けられたそうです。
ご先祖さまと共に過ごし、ご先祖さまのパワーとご加護をいただいて、一年の門出といたし
ましょう。

 「何ごとの 在わしますかは 知らねども 恭(かたじけ)なさに 涙こぼるる」
 古来から日本人は眼に見えぬ『何ごとか』を神として敬い、うけている恩恵に感謝の気持
ちを持ち続けて参りました。新年には大自然から受けているおかげを神さまに感謝し、また
人間として『命』をいただいているご先祖さまや御仏に祈りをささげましょう。
 ここ数年は高度経済社会のひずみが社会現象となって眼につき、不労所得で巨利を得た
人々がもてはやされたり、反面、人が見ていなかったら何をしても通ってしまうような嘆か
わしい風潮が日本を覆っているように感じられます。

 人目から見えずとも、天の眼がある! 善は善 悪は悪 のけじめがある!「美しいくに」
を目指すなら、今年はこのような日本を皆いったいとなって目指したいものです。

 円満寺の宗旨は高野山真言宗 宗祖は弘法大師空海さまです。

   お大師さまの教えを解りやすく説明しますと

     1.生きとし生けるもの皆仏の子なり。
     2.世のため人のため尽くし合おう。
     3.皆力を合わせ、住みよい社会を作りあげよう。

 ただいまの社会は「普通に行き続けること」が困難な時代になりつつあります。新年の始
まりに心のバランスを大切に、人に優しくできる勇気を持とうではありませんか!
 1月28日は例年どおり『初不動・柴燈護摩供法要』を勤めさせていただきます。護摩の
火で清めていただき、お不動さまのパワーを頂戴してこの一年元気に過ごしてまいりましょう。

合掌

平成19年1月1日

■ あっと言う間のお正月でした
つい先日お正月を迎えた感覚なのに、もう2月を迎えてしまいました。
今年は殊の外の暖冬で、28日の初不動柴燈護摩供法要も好天に恵まれて、沢山の方々に
お参り戴いて本当に有り難いことでした。お参りの皆様はお不動さまの護摩の炎で身も心も
清めていただいて、一年を過ごすパワーを授かって下さったことでしょう。
どうぞ今年も佳いお年でありますように・・・。

 昨年の大晦日の紅白歌合戦、ご覧になられましたか?
私は「除夜の鐘」の準備で殆んどテレビを覗く暇がありませんでした。ところがふっと見た画面で、
秋川雅史さんの「千の風になって」の朗々とした歌声に出会い、大晦日の一瞬心洗われる想い
に浸ることができました。歌声が終わるまで、私の心に爽やかな風が吹き渡り、泉が涌きいずる
感覚がありました。

------千の風になって---------
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬にはダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
(後略)

外国の詩だそうですが、詳しいことは覚えていません。日本では新井満氏が訳しておられます。
この「よもやま話」でも先年話題にさせていただきましたが、亡き人を偲び、今も心震える想い
がいたします。ところが最近この詩を拠りどころにして、お墓無用論を時々耳にするようになり
ました。それについてちょっとひとこと・・・

人間が死に面するとき、魂が肉体を離れ二度と帰れない状態になった時に「死者」になることと
されています。古来から日本人は、生命に『魂魄(こんぱく)』が宿るとの想いを持ち続けて参り
ました。陰陽五行説(おんみょうごぎょうせつ)によれば、人の魂はあらゆる精神活動を司る
「魂(こん)」と、肉欲や愛情や肉体そのものを司る「魄(はく)」との2つから成るといわれてい
ます。そして、魂は天からもたらされ、魄(はく)は地からもたらされるのだと・・・。

人は、これら天からの魂と地からの魄によってこの世に生を受け、生き、やがて肉体が滅び死
に向かう時、魂魄はあたかも糸がほぐれるように、私たちの肉体から解き放たれる。そうして
解き放たれた魂は天に還り、魄は地に還る。

日本神話によれば「ヤマトタケルの命(みこと)」は井吹山の神との戦いに敗れて命尽きる時、
魂は白鳥となって大和の空を目指したと語り伝えられています。
また太平洋戦争で戦死された英霊を弔うために、大勢の遺族が大陸や鳥に渡り遺骨の慰霊塔
をつくり、また海に沈んだ英霊の御霊を鎮めました。これは異国に無念の思いで朽ちた肉体に
宿る魄(はく)を癒すためではないでしょうか?

日本人の宗教観では先祖の魂は天上に帰って、気象や大自然の営みを司る「カミ」となり、
魄をいだく大地は穀物や大地の恵みを生み出す地母神(ちぼしん)として、人間の営みを
助けるとされています。お仏壇で御仏やご先祖さまの霊にお出会いすることも、お墓で土に
還られたご先祖さまにご挨拶を申しあげることも同じくらい大切なことです。

3月にはお彼岸がめぐってきます。
眼にみえないお力で守ってくださるご先祖さまを遠くのぞみ、感謝のまことをささげて日頃の
精進をお誓いいたしましょう。

合掌

平成19年2月1日

■ 心ととのえ『春彼岸』
 皆様お元気にお過ごしですか?
今年の1月2月は本当に暖かく過ごしやすい2ヶ月間でした。過ごしやすいけれど何となく
「不安!!」これからの地球はどのように変化しているでしょうか?
人間や地球の生き物はちゃんと生き残れるのでしょうか?
こんなに暖かい毎日を過ごしていると、「不安」に駆られるのは考えすぎでしょうか???
でも兎に角暖かくて快適! 家々の庭には紅梅や白梅が美しく咲き揃ってとても見事です。

 そして『お彼岸』・・・ 春分の日の21日を中日として前後3日間・・・その七日間を春のお
彼岸と申します。
 此の岸と書いて「此岸(しがん)」。私達が住む、貪り・怒り・愚かさ・迷いの世界のことで、
「彼岸」は亡くなった人が此の世を離れ、生死の海を渡って到達する悟りの世界。
彼岸とは、その名の通り「岸の向こうに辿り着く」と言うことのようです。彼岸には太陽が
真東から昇り真西に沈む。その方向に向かって祈れば、必ず極楽に往生が出来、此岸から
彼岸に達するといいます。 つまり、迷いと悟り、此の世とあの世、現実と理想世界が接
する日であるとされているようです。このことは太陽を神様と思い拝んでいた遠い祖先と
関係があるようです。

 東の山から昇る朝日に合掌し、夕陽に礼拝して感謝を捧げ、農耕の安全と豊作を祈願し
て、これを節目として祖先の霊を祀っていたのでしょう。彼岸の世界にいった人たちを供
養すると共に、まだ辿り着けずにいる人たちに、早く向こう岸に行けるようにお祈りする
ことも、とても大切なことです。
また春分の日(お彼岸のお中日)が昼夜の時間が同じ長さであることから、お彼岸はお釈
迦さまの「中道のおしえ」にあい通じるものがあり、「偏らない心」を育てる精進の七日間
であるとされています。

 皆様 ご多忙な毎日過ごしておられるでしょうが、お彼岸にはお墓参りをして、今は
亡き人々を偲び、日頃の自分を省みて、ただいま健康で不自由なく暮らしていることを
ご先祖さまに報告して感謝のまことをささげましょうね。

 「かたよらない心」を整えるための「六波羅蜜」の教えをご紹介しておきましょう。
  1.布施・・・人に施すこと
  2.持戒・・・戒めを守ること
  3・忍辱・・・にんにく 苦しさに耐えること
  4.精進・・・努力すること
  5.禅定・・・ぜんじょう 心を落ち着けること
  6.智慧・・・真理を見抜く力を身につけること


合掌

平成19年3月1日

■ 桜によせて
四月に入り、花便りと共に雨模様の空を気にする数日が続いています。
今日4月2日円満寺で南無の会(ご詠歌教室)の皆さんが集まり、お勉強の後、お隣の
野添北公園でお花見のひとときを楽しみました。北公園の桜はソメイヨシノはまだ開花
していませんが、お茶室前の枝垂桜がそれは見事で、薄紅色の花がびっしりと・・・、
思わず見入ってしまいました。

 お花はどうしてあんなに一心に咲くのでしょうか? 思わず魅入られるような・・・、
魂を持っていかれるような気がしてなりません。
 季節ごとに木々は装いを変え、陽光と共に花開き、春の輝きを私たちに感じさせてくれます。
それにしてもあんなに一途に・・・、まるで命がけで咲いて、私たちに語りかけているのでは
ないでしょうか!

 日本人は古来より桜の一途さ、あでやかさにひかれ、この季節のひとときを愛で、楽しんで
まいりました。
 「明日ありと思う心のあだ桜、夜半にあらしの吹かぬものかは」 この古歌には色々な解釈
があるとは思いますが、あくまでも表面的にとらえて、お話を進めたいと思います。
 一心に咲く桜も、夜半の嵐も大自然のあるがままの姿、御仏の佇まいをあらわしているので
はないでしょうか?

 大宇宙のあるがままの姿・活動(大日如来様のみ教え)は、永遠の時を刻み、常にあらゆ
るものを生み出し、また滅ぼし、私たちは絶えず影響を受けながら、生を受け、死に至ります。
 「色即是空(しきそくぜくう) 空即是色(くうろくぜしき)」の経文は難しすぎて、私は
おぼろげにしかわかりませんが、此のことではないか?と、この頃考えています。
 地球の生態系のなかで生きている私たち・・・、もし、地球の軌道が外れたら、太陽の光が
衰えたら、酸素が薄くなったら、水が使えなくなったら、大地がくずれたら・・・、たちまち
私たち人間をふくめたあらゆる生物は死に絶え、地球は荒野と化してしまいます。
 私たち人間はこの得がたいような宇宙のパワーの不思議な出会いの中で、命を育まれ、
代々生き続けてまいりました。このパワーの何ものが欠けても成立しない、行き続けられない!
 この大宇宙(大日如来さま)のありがたさ、出会いの不思議さを何に例えたら表現できるで
しょうか? 此の天地のもとで、豊穣な大地のたまものに感謝して生きることこそ、御仏の心
に叶うのではないか?と、考えている今日この頃です。

 わが高野山真言宗は『生かせいのち』を命題にして活動を行っていますが、私達ひとり
ひとりが大宇宙に抱かれて生きていることに感謝をし、どのように毎日を過ごしていくか?
自分たちの生き方が、御仏のご意思にかない、周囲の人々のために役立てるか?
常に想いをいたし、日々精進することが大切なのではないか・・・と考えています。
 『生かせいのち』の想いが世界中に広まり、地球上が感謝に包まれた、平和で豊かな
世界になってほしいものですね。

至心発願(ししんほつがん)天長地久(てんじょうちきゅう)
即身成仏(そくしんじょうぶつ蜜厳国土(みつごんこくど)
風雨順時(ふううじゅんじ)五穀豊穣(ごこくぶじょう)
万邦協和(ばんぽうきょうわ)諸人快楽(しょにんけらく)
乃至法界(ないしほうかい)平等利益(びょうどうりやく)


合掌

平成19年4月3日

■ 五月をむかえて
桜を愛でたり、忙しい日々を過ごしているうちに、あっと言う間に五月を迎えてしまいました。
円満寺の横を「であいの道」という散歩道が通っています。早朝や夕暮れには皆さん散歩
をされて、とても楽しそう・・・。今は花みずきの若葉が薄紅色と薄みどりに彩られて、
私たちの目を楽しませてくれます。やはり緑につつまれる季節はいいですね。

 さて五月は円満寺の大切な行事が二つ予定されています。
 五月五日は花祭り髪納め法要 五月二十六日は庚申大祭・大般若経六百巻転読加持法要
 ・・・何度もご説明しているのですが、再度のご説明・・・

 花祭り・髪納め法要は お釈迦さまのご生誕祭(旧暦でいえば四月八日)―――
一人の人間として生を受けられ、人として如何にいきるか?を命題に人々の救済にあたられた
お釈迦さまを、仏陀とお慕いした後世の人々が花をいっぱい飾り、誕生仏に甘茶をかけてご
誕生を祝った行事です。

 ではどうして髪納め法要は共におこなわれるのでしょうか?
古来わが国では旧暦四月八日は卯月八日(うづきようか)といい、早朝庭先に「てんとう花」
(長い青竹の先端に季節の切花を結びつけたもの)を立てて、大自然にかえっておられるご先
祖の霊をお迎えして、お釈迦さまへの感謝の供養と共に、ご先祖さまのご遺徳をたたえ、先
年からの新仏さまの遺髪を供養して、今は亡き御霊の平安を祈願する法要です。

 次は庚申(青面金剛尊)大祭・大般若六百巻転読加持法要―――
二つの法要はどう違うでしょうか?
髪納め法要はご先祖供養の法要・・・ 後の庚申大祭・大般若加持は今生きている私達のた
めの祈願の法要です。一心にお願いしおすがりすれば、家内安全・健康祈願・病気平癒・厄
除け祈願等々のご利益を頂戴することができますよ。 青面金剛童子(庚申)様は荒々しいお
姿で人間の煩悩が引き起こす、あらゆる災厄を追い払って下さるご威徳を備えられ、また御
家来の五薬叉(やくしゃ、青・黄・赤・白・黒)鬼神が皆様の病を治すお力を加えてくださいます。
また併せて大般若経六百巻転読法要がつとめられますが、お釈迦さま始め、み仏たちが、
生きとし行けるものを救うために説かれた有り難い教えが大般若経六百巻・・・六百巻を
一度に転読した風にあたり、理趣分のお経でお加持をしていただいて、この一年健康で、
順調にすごせるよう、ご利益をいただきましょうね!

 でも今の日本は風土に恵まれ、豊かな素晴らしい国です。欲しいものはお金をだせば何
でも手に入る・・・、私たちは驕りの気持ちがふえて、私たちを抱いてくださるみ仏(大宇宙)
やご先祖さまを敬う気持ちが薄れているのではないでしょうか?
 お参りにきてくださる皆様、謙虚な気持ちでみ仏にお出会いし、お祈りし、お願いしてく
ださい。

『一心に!』がとても大切なことです。一心に!ひたすらに!の気持ちがみ仏に通じるもの
がありますよ! どうぞお参りくださいね。


合掌

平成19年5月2日

■ 「若冲 (じゃくちゅう)」展に行ってきました
 円満寺の庚申大祭・大般若転読法要も終わり、愈々本格的な夏が近づいてまいりました。
ご参詣の皆様は庚申さまのご威徳に触れ、また大般若経のお加持で有り難いみ仏のパワー
を戴かれたことでしょう。どうぞ今年一年皆様が健康とご多幸に恵まれますように。

 皆様が日常から離れお寺にお参りされることは、日頃のストレスから開放されて、なん
となく心和らいで優しい気持ちを持って帰ってくださるのではないか?と、とても嬉しく感じ
ております。参詣くださった皆様に暖かい光の輪が生まれますように・・・。

 扨 今日のおはなし、私の独り言をお聞きくださいね!
「伊藤若冲」という画家の名前は歴史の教科書での知識しかありませんでした。どうして
この展覧会を知ったか?と言えば、新聞上の釈迦三尊図と特集記事に出会ったから・・・。
 でも、同時に展示されている「動植綵絵(どうしょくさいえ)」の事はしりませんでした。
私がどうしても展覧会に行きたかったのは、釈迦三尊さまに出会いたい!!!
との気持ちだけで、何の知識もなくて京都まで行ってまいりました。

 「若冲」展は京都御所の北側の相国寺(しょうこくじ)さんの境内にある承天閣(しょう
てんかく)美術館で開催されています。5月29日12時過ぎに到着した時は、大混雑で
受付まで70分待ちと、係員に言われてしまいました。本当に若冲さんの絵に出合うまで、
90分かかったんですよ!!!
 入場して直ぐに眼を奪われたのは、白衣観音さまと、いかめしい毘沙門天様、圧倒的な
存在感は周りの空気を圧しておりました。お二方の尊像は相国寺さんの大切な行事「観音
懴法(かんのんせんぽう・例年6月17日)の本尊さまや、大切な由緒のある仏さまだそ
うです。

次々に現れる生き生きとした刷毛目の水墨画、特に――「芭蕉図」大典禅師(だいてん
ぜんじ・若冲の師僧)の「賛(さん)」と双幅(そうふく)になっていて、風にそよぐ芭蕉の
葉の音が聞こえてくるような絵画でした。
 いろいろ紹介したいのですが、やっぱり『釈迦三尊図』『動植綵絵(どうしょくさいえ)』
を紹介しなくては・・・。この33幅の絵画は相国寺の大典禅師(だいてんぜんじ)に帰
依した若冲が祖父母や自分と家族の永代供養を願って相国寺に寄進したものだそうです。

 まず『釈迦三尊』さま―これは中国の古画を若冲さんが模写をして完成したものだそう
です。これは水墨画の自由奔放な技法とぜんぜん違う・・・ひとふでひとふで御仏を念じ
ながら描いた精密な画法だなあ・・・、本当に御仏の明かりがあたりをはらっている、そ
んなオーラを感じてしまいました。

釈迦三尊像 釈迦如来像 釈迦三尊像 普賢菩薩像 釈迦三尊像 文殊菩薩像

 そして『動植綵絵』・・・「綵(さい)」は「あやぎぬ」のことだそうです。「あやぎぬ」に描
かれた鳳凰や孔雀・鶏などの鳥、牡丹や梅などのさまざまな花、蝶や蝉・蛙・鯛や蛸
などがいきいきと30幅の絵画に描かれていて、なんと形容したらよいか・・・、本当に
生きているようなんですよ!  特に『鶏』・・・とさかを立てて、目をいからせてにらみつ
け、丁度ボクサーが眼をとばしているような。そんな鶏がいっぱいいるんですよ!

芦鵞図 群鶏図 紫陽花双鶏図

 とにかくお伝えしたいことばかりですが、『動植綵絵』はお釈迦さま・御仏に抱かれた、
「生きとし生けるものが美しい!!!」そのいのちの美しさを表現し、あらゆる生き物を
輝くばかりに表現して、お釈迦さまのご仏前を飾った荘厳画(しょうごんが)だとの説明
がされておりました。

雪中鴛鴦図 労松鸚鵡図 薔薇小禽図

では相国寺さんに寄進されたこの絵画たちは、どのような法要のお役にたっていたのでしょう!
相国寺さんには室町時代から伝わっている「観音懺法(かんのんせんぽう)」という大切
な行事が現在も例年6月17日に行われています。私たちが、知らず知らずのうちに御仏
の教えに背いて、重ねている罪を観音さまに懺悔し、仏性を取り戻せるよう導いていただ
く大切な儀式と、聞いています。
 若冲の寄進の当時は、『観音懺法』の儀式は相国寺の山門「円通閣」で行われ、若冲の釈
迦三尊さまと動植綵絵33幅の絵画は儀式の本尊さまとして大切にあがめられていたそう
ですが、明治の頃に『廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)』の嵐が仏門を襲い、数多くの寺院が
衰え、貴重な仏像や美術品が失われた一時期がありました。相国寺さんでは、貴重な若冲
の仏画のうち『釈迦三尊像』をお寺に残し、『動植綵絵』を宮中に献じて、下賜金により現
在の寺勢を保ったとされています。

 現在の「観音懺法」の本尊さまは前述の「白衣観音」さま、脇侍として若冲作の文殊菩
薩様・普賢菩薩さまがおまつりされています。
 このたびは相国寺開山に尽力した足利義満公600年御遠忌記念行事として、「動植綵絵」
が宮内庁から里帰りして「釈迦三尊像」と共に120年ぶりに公開された次第です。
 展覧会は疲れました。でも若冲さんの鮮やかな色彩・いきいきとした躍動感・空間の豊
かさに魅せられて、とても嬉しい出会いの一日でした。


合掌

平成19年6月4日

■「夏安居(げあんご)」について
 今年もまたたく間に半年が過ぎ去って、七月を迎えました。暑いですねえーー。
梅雨いりが遅く短い梅雨の期間になりそうです。ジメジメと蒸し暑いのは嫌だけれど、
雨も降ってくれなければ、水不足が起こったりその結果断水になって、たちまち生活に
影響がでそうで心配ですね。とは言えもう7月、7月8月は先祖供養の季節です。
関東では七月がお盆・関西では八月にお盆の行事を行います。

円満寺では7月に
また8月に
7月22日13:30〜
8月1日〜14日
8月7日
8月7日〜14日
8月15日
8月24日
盂蘭盆会大施餓鬼供養法要
盂蘭盆会棚経詣り
初盆迎え火法要
初盆精霊棚経詣り
精霊流し万燈供養法要
地蔵盆法要

このような予定でご先祖さまの供養を勤めさせて頂きます。
どうぞご家族お揃いでお参りくださいね。

 施餓鬼供養法要につきましては、今年は法事を勤めたから、もう失礼しても良いのではないか?
とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
 施餓鬼法要をつとめることは、皆様方の近いご先祖さま・遠いご先祖さまや、供養が必要で
供養に飢えておられる精霊さまにお食事をさしあげ、精霊様の喜びが各家のご先祖さまの
供養となり、皆様がたそれぞれにご加護を下さるという大切な行事です。
 私たちは日常目に見える世界に心奪われて、一喜一憂する毎日を過ごしていますが、
この先祖供養の日々には、私たちに命をつないで下さったご先祖さまがた、また命を育んで
くださっている御仏の世界(大宇宙)に心をやり、目に見えない世界にも命がある!ことを感じ、
感謝の気持ちを大切に日々をお過ごしくださいね。

さて今日は『夏安居(げあんご)』についてお話したいと思います。
遠い昔のインドーーお釈迦様が悟りを開き、人々の救済に活動されていた時代のことですが、
(インドの気候は乾季と雨季に区別されます)−−雨季の約三ヶ月間集団生活をしながら
修行につとめことに始まり、また外出して無用に虫を踏み潰す事を避けるための意味の
集団生活を『夏安居(げあんご)』と称されたと、されています。

 日本でもそれぞれの宗派においてお坊様が一定の期間外出をせずに、修行研鑽に努める
行事が行われています。
 高野山真言宗では「夏安居(げあんご)」をかねて七月末に「真言宗教学大会」が毎年開催
されています。お坊さまのお勉強会です。
 お釈迦さまはじめ各時代の祖師さまたがは、それぞれの時代に応じた「苦悩への向かい方」
を説いて人々を導かれたそうですが、私たちもお寺の住職としてまた坊守として、皆様の悩みの
解決に少しでもお役に立てたら・・・と、日々を過ごしています。
 まずはお寺にお参りされて「優しい気持ち」を持って帰っていただけるよう、努力しております。
どうぞ気軽にお声をかけてくださいね。


合掌

平成19年7月6日

■暑中お見舞い申しあげます。(平成19年盛夏)
 短く集中豪雨に見舞われた梅雨が明けました。あんなに太陽の恵みを戴いている私たち
なのに、ジリジリ照り付ける太陽に出会うと、思わずイライラしてしまうのは何故でしょうか?
 とは言え、今年の夏は「冷夏」とも伝えられ、路地もののお野菜が高騰するとの予想が
でています。私たち主婦にとっては、安くて新鮮なお野菜が手に入るのが、大変嬉しいこと
なのですが・・・。

 扨、先日の中越沖地震の被害に見舞われた柏崎市や周辺地域の皆様、沢山の家屋が倒壊して、
ご不自由な暮らしが続いていると思います。特にお年寄りが倒壊事故に巻き込まれてお亡くなり
になった事は、本当に心が痛みます。また避難所で暮らしておられる皆様の健康状態も大変
気がかりなことです。思わず十数年前の阪神大震災の惨状を思い出してしまいました。
お手伝いが出来なくて申し訳ないことですが、一日も早い復旧と、明るい笑顔を取り戻して
くださる事をお祈り申しあげます。

 また先日の7月29日には参議院の選挙がおこなわれ、今までの政権政党だった自民党が
大敗しましたね。どうなんでしょうね・・・。私には良くわかりませんが年金問題や閣僚の
不祥事など、これまで少なくともある程度信頼を置いていた政府や議員さんに、国民が不信感を
抱いてしまったことは事実です。公務員の皆さんは国民に奉仕するのが建前と思うのですが、
現実は違うのですね。
しかしながら政治家は国民に選挙で選ばれて、日本の行く末の舵取りを任されている事を自覚
して行動してほしい!と、切に願いたいものです。

 さて、愈々八月を迎えました。八月は『お盆』−−慰霊の季節・・・亡き人々を供養する日々
を迎えます。円満寺では七月三十一日から、お盆棚経まいりをつとめさせていただきます。
 精霊棚には各家のご先祖さまの「魂迎え」をし、地方から都会に移住した人々も両親の元へ、
お棚参り、お墓参りに里帰りをいたします。
 「盂蘭盆会 空席のない 夕ご飯」・・・目には見えないけれど、迎え火を焚いて戻ってこられた
御先祖さまが、食卓に共に座り子供たちのしぐさを見守りながら、にこにこ笑っておられます。
今はなきご先祖さまに供養をし追善のお経を備えて、感謝のまことをお供えいたしましょう。

 しかしながら、八月はもう一つの供養の季節、戦没者慰霊と平和を祈る季節ではないでしょうか?
8月15日には終戦記念日を迎えますが、8月6日は広島原爆投下、8月9日は長崎原爆投下、
また各地への大空襲があり、数多くのいのちが失われた事を日本人は深く心に刻み、現在の
豊かさと、平和の有り難さを感謝しなければなりません。終戦後もう六十有余年を経過し、
私も含めて、戦時・戦後の混乱を記憶する人々が少なくなってしまいました。そしていままで知
らなかったけれど、6月23日は沖縄戦終焉の日−−。

 七月上旬、沖縄戦跡慰霊の旅に行ってきました。首里城、摩文仁(まぶに)の丘の平和の
礎(いしじ)、ひめゆりの塔・・・ひしひしと感じた事は−−余りにもひどい・・沖縄が日本本土を
守るための盾となってしまったこと。沖縄の人々の心で戦争がまだ終わっていないこと。
本土に住む私たちとは思いに余りにも温度差があること。ひめゆりの塔資料館の語り部の
老婦人の戦争の事実を伝えようとする使命感、そして平和への熱い思いに涙をとめることが
出来ませんでした。

 国際的には日本の武力貢献が求められる時代なのかもしれませんが、常に過去を振り返り、
平和への思いを大切にする、日本人で居ようでありませんか。


合掌

平成19年8月1日

■9月に思うこと(平成19年秋彼岸)
 初秋とは名ばかりの長く厳しい暑さが続き、ようやく9月をむかえました。今年は内陸部で
40度を超える気温になり、日本全土熱気に包まれた日々が続きました。熱中症で多数の
人々が倒れ、なかでも65歳以上のお年寄りが死亡されたのは、痛ましい限りです。
 暑かったですねーー。本当に苦しいし過ごしにくかった・・・。一日も早く爽やかな秋風を
待ち望む毎日です。

 「秋来ぬと 目にはさやかにみえねども 風の音にぞおどろかれぬる」との古歌がありますが、
地球温暖化現象の影響を受けている今日、四季の鮮やかな彩りに包まれてきた日本の自然は、
将来どのようになっていくのでしょうか?
 でもそんなことを言っている場合ではありませんね。北極では氷山が驚くほどの速さで崩壊し、
北極海の生き物たちの生存が危ぶまれているようですが、太平洋の島々の国の人々も水面が
上昇すれば、国土を失ってしまいますね。日本だって狭い国土が、また平野部が海面の下に
なってしまうかもしれません。世界中の国々が、自国の利害を超えて早急に真剣に取り組む
べきではないでしょうか?

 こんな時世界の宗教者が心を合わせ、国々の指導者たちに働きかけてくだされば、
どんなに有り難く、恩恵をうけることができるか・・・と、切に思います。
 地球の現在を考える・・・、地球の未来を考える・・・地球の生き物の現在と未来を考える・・・
とても大切なことではないでしょうか?
 でも考えてばかりいても仕方ありませんね。出来ることから、手をつけなければ・・・。
電気の消費を少なくし、無駄なごみをださないように、資源ごみはまとめて出し、マナーを
きちんと守りましょう。
 ひとりひとりの小さな心がけが、手をつなぐ心の光の輪となって、社会を世界を宇宙を、
よりよき姿にかえられたら素晴らしいですね。

 折からお彼岸の季節が近づいてまいりました。大自然を大切に、生きとし生けるものを
たいせつに、 目に見えなくても私たちを包み、いとしんでくれる存在に感謝を捧げる・・・
これはそのまま「仏心−−菩薩の心」に通じます。お彼岸のお中日は「ご先祖を敬い、
生きとし生けるものを大切に・・・する日」とされています。お彼岸には、お墓まいりをして
只今の自分に命をつないで下さった、ご先祖さまに感謝の心をささげましょう。

 また「お彼岸」は梵語(サンスクリット語)のパーラミーター(波羅蜜多)の漢訳「到彼岸」
からきた言葉で『迷いの世界から悟りの世界に至る』こととされています。
 その「悟りの世界」に至るには布施(人に施すこと)自戒(自分を戒める)忍辱(にんにく・
耐え忍ぶ)精進(努力する)禅定(心落ち着ける)知恵(真理に基づく考え方・生き方をする
こと)の六波羅蜜(ろくはらみつ)の教えが説かれていますが、お彼岸の7日間、すこしでも
日常を振り返り、周囲に優しい心で接する日々をおくってみては、どうでしょうか?

 かけがえのない自分、かけがえのない大切な人々、かけがえのない地球−−の心に
通じるように・・・私たち地球人として。


合掌

平成19年9月3日

■ご詠歌のこころ
十月の訪れと共に、ようやく爽やかに秋風が吹き渡るようになりました。今年の残暑・・・
本当に長かったし暑かったですね。 暑さのせいで体力が衰えた気がいたします。
このページの読者の皆様も、早く夏の疲れを癒してくださいね。

 扨 今月の「よもやま話」を書くのが遅くなってしまって、ごめんなさい。
私 10/1から10/5まで高野山に行っておりました。高野山でご詠歌の上級教師講習会があり、
詠階昇補試験も併せて行なわれ、試験は何とか無事に乗り切って、その後の講習はとても
ハードでスケジュールも忙しく、でも大好きなご詠歌がずーっとできる訳ですから、
とても充実した有意義な数日間でした。

 皆様は「ご詠歌」ってご存知でしょうか? 皆様はお葬式の時にお唱えする「追弔和讃」や
「無常和讃」また「西国三十三番のご詠歌」などをイメージしてお持ちではありませんか?
もちろん「ご詠歌」は「西国三十三番のご詠歌」によって始まりとされています。

 平安時代に政変により帝の位を降りられた花山法皇(かざんほうおう)がご修行のため
西国三十三番観音霊場を巡拝されて、和歌を本尊さまに捧げられ、その後あまたの巡礼たちに
歌い継がれて、ひろまってゆきました。

 霊前に三十三番のご詠歌をお供えするのは、死者の魂が観音さまの浄土に生まれ変われる
ように・・・、「追弔和讃」や「無常和讃」をお唱えするのは、みほとけや弘法大師さまに
死者の魂の救済をお祈りするためです。

 でも「ご詠歌」っていろいろあるんですよ!
五七五七七の短歌に節(メロディー)をつけた詠歌と七五調の散文形式「和讃」の2種類に
わかれていますが、総称して「金剛流御詠歌」と呼ばれています。
内容は「仏さまを心に感じる喜び」とか「お大師さまに救いを求める気持ち」「本尊さまや
お大師さまへの敬虔な思い」「みほとけを感じて、日々自分を律する心」「死者の魂の来世
での安泰を祈る気持ち」「みほとけの功徳を讃える歌」とか・・・。

 音楽ではありますけど、演歌でもポップスやニューミュージックでもありません。ただ・・・
歌に心が宿るように、御詠歌にも魂が宿っています。
 日常から離れて四国八十八ヶ所の遍路をしていると、《天地の間にただ一人の自分》という
思いが生まれます。

 《寄る辺のない自分》やまた《大自然や生きとし生けるものからの恩恵》を感じたとき、
人は「敬虔なこころ」や「感謝するこころ」につつまれるのではないでしょうか!
私はこの気持ちが「詠歌のこころ」に通じるものと思っています。


 でも私にとって「ご詠歌」はとても楽しい世界です。お腹からいっぱい声をだすと、
新たな力がわいてきて、少々の疲れでも癒されてしまいます。同行の仲間の皆さんと仲良く
お勉強できるのは、至福の時間に感じられます。良かったら、ご一緒にいかがですか!


 扨 今月10月31日(水)13:30〜 にお十夜水施餓鬼法要を務めさせていただきます。
昨年も説明させていただいていますが、秋の豊穣の季節をむかえて、初物の収穫物を
本尊さまにお供えし、ご先祖さまに供養を申しあげる大切な行事です。どうぞ皆様お揃いで
お参りください。


合掌

平成19年10月9日

■十一月を迎えて
11月に入り、秋色がようやく深くなってまいりました。朝夕は冷気が身に沁みるようになりましたが、
読者の皆様はお変わりなくお過ごしでございますか?

 円満寺では住職が風邪をひき、お医者さまに点滴をお願いしながら日々の活動を行なって
いますが、いまだに治らなくて、もう一ヶ月近くになってしまいました。本当に気がかりなことです。
どうぞ皆様もお気をつけてください。


 扨 十一月・・・お正月までもう2ヶ月足らずになってしまいました。あっと言う間に一年が
過ぎ去ってしまいます。今年の日本は政権交代があり・・・、また国民の老後の拠りどころの
年金制度が厚生労働省のお役人の長年の怠慢により、近い将来の生活に不安を覚えるように
なりました。これは社会不安ですね! 私も自分たちの年金がどうなっているか、思わず調べに
いってしまいました。

 ミャンマーでは住民のために立ち上がったお坊様が弾圧され・・・、取材中の日本人ジャーナリスト
長井さんが殺害されました。アフガンでは日本人学生が拉致され行方がしれません。
国外にでて一般住民のために活動されている日本人が危難にさらされるのは、本当に心痛める
ことですね。

 また「腹だたしいこと」・・・輸血や血液製剤フイブリノゲンの投与により将来重い肝臓病に
犯される恐れのある人々に、判っていながら知らせてあげなかった厚生労働省のお役人!!!
もしあなた方のお身内が対象者なら、現在のような処理で放置するでしょうか?

 全く「人間のいのち」をおろそかにした血も涙もない「おこない」には恐怖心を覚えます。
幸い福田総理の意向・舛添大臣の働きで肝炎訴訟が和解の道筋がつき、また肝炎ウイルスに
犯された方への治療の望みも見えてまいりました。

 しかし厚生労働省・社会保険庁を筆頭にした日本の公務員は日本国のため、国民の安全
に『奉仕』するのが役目ではないでしょうか?


 今月の「よもやま話」は随分社会への不満をかいてしまいましたが、『奉仕』のこころを
なおざりにしては、社会生活が成り立っていきませんね。

 「奉仕するこころ」は「紳士の心」に通じると思います。

 私の記憶違いが大分はいっているかもしれませんが、(間違っていたらごめんなさいね)
もう20年近く以前のお話です。ワシントンのボトマック河に飛行機が墜落した事故が
ありました。沢山の人々が水面で救助をもとめていましたが、一人の紳士が救助の順番を
他の人々に譲り、最後に手を差し伸べられた時は、水中に没して姿が無かった・・・との
記事を読んだ記憶があります。

 その紳士は最後に自分の命が尽きるとは、思っていなかったのかもしれません。命がけの
奉仕のこころ−−−「凄いなー、私にはできない・・・絶対そんな事は無理!」若かった時の
感想です。

 そんな至高の『奉仕』は無理でも、私たちも「喜んで、自然体で、人のお役に立つこと」
ができるのでは、ないでしょうか?


 私たち真言宗は「大自然に育まれるいのち」という事を大切な教えとしています。その
教えから生まれる「感謝」のこころ・・・私も社会のお役に立ちたい!!と切に思います。

 このページを見てくださる方々にまた教えをいただけたら嬉しいなーと感じている、
今日の私です。何だかとりとめのない、今月の「よもやま話」でした。


合掌

平成19年11月3日

■一年のしめくくり
 愈々師走を迎えました。暦の上では初冬の筈ですが、まだまだ野山は紅葉の錦に彩られ、
まことに美しい眺めですね。とは言いながら、お正月まで一ヶ月足らず・・・しなければ
いけない仕事があふれて何だか焦りを感じてしまいます。

 振り返ってみれば、今年の日本も世界中も慌しく、心曇ることの多い一年でした。
超大国の専横がきっかけで起こる世界の紛争・・・、地球温暖化が声高く叫ばれながら
国益優先の国々ばかりで、なかなか有効な手段が実現できません。そして原油高やアメリカ
のサブプライム問題は、世界の貧富の格差をますます大きくしてしまいます。
───そして日本・・・今年は年金問題・肝炎訴訟・防衛省汚職国民不在の政治が尾を引
いて政治の潮目が大きく変わり、参議院議員選挙では民主党が大きく躍進しました。
慢心した政治家や官僚が行なう政治に、国民が大声で「ノー」を突きつけた場面でしたね。
そして日本でも拡がる「貧富の格差」・・・人々の心が荒れて、痛ましい凶悪な事件のニュース
が紙面を賑わせるのは本当に悲しいことです。でも円満寺は色々な悩み事も抱えながら、
平成19年を事無く過ごすことができて本当に有り難いことでした。本当にお大師さまや
ご本尊さま、周囲の皆様に護って戴いているんだな──と、感謝の気持ちでいっぱいです。

 高野山の参与会からの心がホカホカするような可愛い「カレンダー」が届きました。

 四月には── 「桜はな いのちいっぱい咲くからに 生命をかけてわが眺めたり」と
岡本かの子が詠んでいます。まさに「生かせいのち」ですね


 七月には── 太陽が「こんにちは」と輝く午後の二時 やりたいことはいっぱいあるけど
たまにはまったりして お花さんとお話するのもいいでしょう


 十二月には── 十二月は一年を ふつうに過ごせたことに感謝する月です
普通って最高ですよネ


 そして表紙には──私も お大師さまのお弟子です 誰でも現代の高野聖



 何かしらほっこりとあたたかいでしょう!お寺はそう言う「あたたかさ」や「さりげない
やすらぎ」を感じていただける場でありたいと思います。

 テレビドラマ「どんど晴れ」の舞台だった名旅館加賀美屋さんの玄関額「来る者帰るが
ごとし」──ヨーロッパの古城の壁に刻んであった「入り来る人には安らぎを 去り行く
人には幸せを」・・・お寺のおもりをする私たちは、いつもお訪ねくださる、お参りくだ
さる皆さんに「ひとときの安らぎ」を持って帰っていただきたいと思いながら、日々をす
ごしています。また気軽にお声をかけてくだされば嬉しいのですが・・・。

 ところでもうすぐ年末・・・大晦日の「除夜の鐘」の行事が迫ってきました。心新たに
初春を迎えるために、お家を清め、心のお掃除もいたしましょう!百八つの鐘の音と共に
煩悩を払い、お正月さまとしてお家に降りてこられるご先祖さまをお迎えして、何事も無く
過ごしていける「かたじけなさ」を感謝し、新たにはじまる平成二十年のご加護をお願い
いたしましょうね!

 ところで今年の大晦日には円満寺からBANBANテレビの大晦日の中継がおこなわれます。
どうぞ皆様おそろいでお参りくださいね!


合掌

平成19年12月6日