12月31日 23時45分〜
 除夜の鐘撞き始め
1月元旦 0:00〜
 修正会法要
1月 2日 10:00〜
 修正会法要
1月 3日 10:00〜
 修正会法要
1月24日 13:00〜
 初不動柴燈
   護摩祈祷法要

平成21年
■平成21年初春を迎えて 平成21年1月1日
■室生寺と長谷寺を訪ねて 平成21年2月3日
■春の八十八ヶ所参拝 平成21年3月10日
■光明真言よもやま話 平成21年4月3日
■卯月八日(うつきようか)よもやま話 平成21年5月2日
■インドの日本人僧佐々井秀嶺僧正さま 平成21年6月3日
■お施餓鬼の季節 平成21年7月2日
■お盆の季節 平成21年7月31日
■9月に入りました 平成21年9月7日
■秋四国遍路のたび─平成21年10月 平成21年10月5日
■「十夜法要」に因んで 平成21年10月28日
■すこし早いですが「2009年ゆく年くる年・・・」 平成21年12月1日

平成28年
◆平成28年のよもやま話
平成27年
◆平成27年のよもやま話
平成26年
◆平成26年のよもやま話
平成25年
◆平成25年のよもやま話
平成24年
◆平成24年のよもやま話
平成23年
◆平成23年のよもやま話
平成22年
◆平成22年のよもやま話
平成20年
◆平成20年のよもやま話
平成19年
◆平成19年のよもやま話
平成18年
◆平成18年のよもやま話
平成17年
◆平成17年のよもやま話

■ 平成21年初春を迎えて
 明けましておめでとうございます。
新年を迎えて皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 愈々平成21年新春を迎えました。皆様どのようにお正月をお過ごしでございますか?
えっ、円満寺に除夜の鐘と初詣に来てくださったんですか!!!嬉しいなあ!本年もどうぞ
よろしくお願い申し上げます。

 昨年は北京オリンピックで随分盛り上がりましたが、それ以前には日本でも中国でも大地
震があり、数多くの人々の命が失われました。また、アメリカのサブプライムローンの破綻
に端を発する金融大暴落や自動車産業の倒産危機・・・、日本でも連鎖的に大不況、こんな
影響が出てくるとは思いもしませんでした。職を追われた皆様はどのように新年を迎えられ
たでしょうか?大企業の経営者の方々、どうぞ正規社員だけではなく契約社員も解雇しない
で下さい。願わくば全体の人件費を分け合って、この不況を乗り切って戴きたいものです。
また下請け企業の切捨ては技術の衰退につながり、企業の将来を考える上には大変な損失
につながるのではないでしょうか。日本の政治にはあまり期待はできませんが、党利党略を
超えた失業者対策を早急に実行して欲しいものですね!

 それにしてもアメリカ民主主義はうらやましいですね!!!オバマ次期大統領の誕生!
すくなくても自国の未来に参加できる夢を感じられるものね。日本も憲法を変えて首相の選
挙は直接選挙にしてほしいなあ・・・「チェンジ チェンジ」でも日本バッシング・日本ナ
ッシングは止めて欲しいものです。その分日本も節を曲げず、頑張らないと・・・。

 扨「お正月」――円満寺では大晦日の除夜の金法要と共にお正月の行事が始まります。
引き続いて「修正会」・・・修正とは過去を改めて正しきを修めることであり、来るべき一年
の決意をするため、また今年一年の息災を祈願する法要とされています。
 また お正月にはお盆と共にご先祖さまをお迎えする「魂祭り(たままつり)」の行事で
もあります。お節料理は「節句」で神様にお供えする食事のこと、お雑煮は歳神さま(ご先
祖さま)をお迎えした儀式(修正会)の後、お供物のお下がりを皆で食する食べ物のことで
す。皆様が菩提寺や神社にお参りする初詣は、大晦日から社頭に籠もって歳神さまをお迎え
する行事が本来のこととされています。折りふしの行事には神話や仏教説話によるもの、
色々な言い伝えや深い意味合いもあり、大切に守り伝えたい!と心を新たにいたしました。

 また1月25日には初不動・節分開運厄除け柴燈護摩供法要を勤めさせて頂きます。茲一
年の災厄を祓い、不動明王さまの力強いご威徳で皆様がたの開運と家門長久・長寿健康を
祈念させていただきます。どうぞ皆様お揃いでお参りくださいませ。
お待ち申し上げております。

合掌









平成21年1月1日

■ 室生寺と長谷寺を訪ねて
二月を迎え早咲きの梅がほころぶ候となりました。先日の初不動柴燈護摩供養法要は日
差しがとても温かく素晴らしいお天気で、皆様大勢お参り戴いて有り難いことでした。

 そしてあっと言う間に「2月!!」・・・お正月月(おしょうがつづき)は瞬くうちに過ぎてゆき
ました。世の中は未曾有の大不況とか・・・大企業の赤字転落のニュースが社会不安を
煽(あお)り、失業者がますます増加していく気配です。宗教者が団結してお手伝いは出
来ないでしょうか? 自分に問いかけながら、勇気の無さを情けなく思う今日この頃です。

 扨 がらりと話題が変わりますが、1月末に室生寺と長谷寺を訪ねて一泊二日で一人旅
をしてきました。雨模様の天気予報でしたが、とても暖かくて・・・、でも出発時間が遅くな
って、近鉄「室生大野」駅に到着したときは正午過ぎ、バスの便がないんです。一日五往復
2時間近くバスが来ないとは−私は随分便利な土地に住んでいるんや!と実感しました。

仕方が無いからタクシーを使って室生寺到着・・・
奥深い山々と渓谷に囲まれた室生寺さんは清らか
な霊気漂う佇まいのお寺でした。
室生山はもともと牟漏(むろ)とよばれ竜神の
住まう聖なる山と崇(あが)められたそうですが、
奈良時代の末期、南都の高僧たちが山中で皇太子
山部親王(やまべしんのう・後の桓武帝)の病気
平癒を祈願して祈祷を行い、優れた功験(くげん)
が得られたことから、勅命により国家のために室生
寺が創建されました。


以来室生寺は伽藍も整い、山林修行や天台・真言・法相宗(ほっそうしゅう)・律宗(りっしゅう)
などの兼学道場として栄えましたが、次第に真言密教の道場として、また女性の参詣を許され
た「女人高野」として広く親しまれるようになったそうです。
本当に清々しい心洗われるお寺さん!でした。

  

世に名高い鎧坂(よろいさか−自然石を組み合わせた石段・とても登りにくい!)を上れば、
見上げるような杉の大木の中に鎮(しず)まる桧皮葺(ひわだぶき)屋根の諸堂たち−軽や
かな舞台造りの金堂にお参りしました。秀でたお顔の本尊釈迦如来様を始めとして、薬師
如来・文殊菩薩・地蔵菩薩・十一面観音さま、その前には表情豊かな十二神将さま・・・十
一面観音さまはふっくらとしたお顔立ち、色彩豊かなお姿にすっかり魅せられてしまいまし
た。それに荒々しいお姿なのに何故か可愛らしい十二神将さま・・懸命にお薬師さまを守護
するお姿でした。また本堂にはなまめかしいお姿の如意輪観音(にょいりんかんのん)さま、
衆生のどのような願いも意のままにかなえてくださる如意宝珠(にょいほうしゅ)を持ち、
六本の腕(かいな)を持ち頬杖をついたような姿の観音さま、この方は絶対女性だ!と思い
ました。

石楠花(しゃくなげ)の大木に囲まれた石段を登ると、
有名な室生寺五重塔・・・
十年ほど前の台風で壊滅的な被害を受けましたが、
優美なお姿に復元されて軽やかな天 人のような優しい
お姿です。でもやっぱり「女人高野」やねー!!!
「癒しのお寺」でした。
できれば石楠花の咲く頃にもう一度訪ねたいお寺です。






 さて次は長谷寺のお参りです。長谷寺は室生大野駅から奈良よりの長谷寺駅から徒歩で
20分程(個人差15〜30分)の距離・・本当に遠かった!!駅員さんに事も無げに徒歩を勧め
られてその気になったのを後悔しました。汗をかきながら到着したお寺は初瀬山中腹に立つ
西国巡礼のお寺・・・華やかな、人々が群れ集う魅力的な雰囲気がありました。縁起は飛鳥
時代道明(どうみょう)上人が天武天皇の病気平癒を祈願して初瀬山西の岡に元長谷寺を、
また聖武天皇の勅命で徳道(とくどう)上人が東の丘に十一面観音さまを安置したのが始ま
りとされています。徳道上人は観音信仰に篤く、西国三十三ヶ所観音霊場を開かれた大徳と
して有名で長谷寺は根本道場として、多くの人々の篤い信仰を集めています。

  

瓦葺の仁王門を潜ると399段の登り楼、両側の庭園は牡丹園。杉木立に囲まれたなだらか
な登り楼を上りきると、広々とした舞台造りの本堂に到着しました。まあ−なんとスケー
ルの大きい本堂やこと・・舞台に立つと広々とした早春の初瀬の山々が見渡せました。振り
返ると本堂正殿に見上げるような金色に輝く十一面観音さま!!!身長は10メートル以
上もある仏さま、蓮の台(うてな)に居ますのが普通なのに、右手に錫杖・左手に蓮の花の
瓶(びょう)を持ち、今にも衆生救済のため歩き出しそうなお姿です。本堂は正殿と礼拝殿
に分かれていて、内陣と外陣が別の大きなお堂になっていました。大きな法要にはきっと信
者さんがここでお籠もりしたんでしょうねえ・・・。ここは皆が親しんで、観音さまに慕い
寄るお寺−観音さまの大威神力(だいいじんりき)というか、限りなく救い続けよう!と
のご誓願のなせる業(わざ)なのか、とにかく人々をひきつけて止まない仏さまだなあ・・・
と感じました。勿論私も大好きになりました。室生寺さんもそうでしたが、西の本長谷寺や
奥のお堂にはお参りできませんでした。とても残念!!!でもとても心が洗われて、実り多
い一人旅になりました。奈良で一泊して、京都で国立博物館の「京都御所ゆかりの至宝」展
を見て帰りました。また次の機会にご報告できたらと思います。

  


合掌


平成21年2月3日

■ 春の八十八ヶ所参拝
 3月に入りあっと言う間に数日がすぎてしましました。よもやま話が書けないまま、お彼岸の
お参りが始まってしまいました。春分の日をはさむ前後3日・・・春彼岸の7日間は遠き近きご
先祖さまを偲び、自らは仏を真似び、心の修練(六波羅蜜)を積む7日間としたいものです。
では3月の「よもやま話」をすこし書かせて戴きます。

 3月に入り2日〜3日の二日間、私達円満寺一行は41番〜48番までの八十八ヶ所巡拝に
いってきました。
この度は伊予−「菩提」の道場と言われている八か寺です。円満寺から約5時間バスに揺られて
宇和島市に到着し、41番稲荷山龍光寺にお参りしました。このお寺は弘法大師巡錫の折、
お稲荷さまの化身である老翁に出会い、老翁がこの地の鎮守神であることを悟って、堂宇を建
てて懇ろにお祀りしたのが始まりとされています。お札所ではあるけれども本当にここはお稲荷
さんやね〜と言う感じがしました。ちなみにご本尊さまは稲荷明神の本地仏(ほんじぶつ)で
あられる十一面観音さまです。

 扨 次はいっか山仏木寺(ぶつもくじ)・・・弘法大師作の大日如来がご本尊さまです。
謂われはこの地を巡錫中のお大師様が、勧められて牛の背に乗り歩むうちに、楠の大木の
枝にかかった「一かの宝珠(唐から五鈷と共に大師が投げた)」が輝くのを発見されました。
仏法流布の霊地と深く感激されたお大師様は、楠で大日如来のお姿を刻んで宝珠を眉間に
納めて、ご本尊とされたとされています。ではお大師さまの創建されたこのお寺・・・どうして
いっか山なのでしょう?宝珠一つを数える単位が「か」なんだそうです。ですから「いっか山」
大日如来を刻んだ楠にちなんで「仏木寺」・・・なかでもご本尊さまは牛をはじめ家畜の
守り仏として信仰されていると聞きました。謂れをきけばご詠歌もすんなりと心にはいります。

「草も木も仏になれる仏木寺 なお頼もしき きちくにんてん」

久しぶりの上天気で波穏やかな海辺や山沿いの道をたどり「明石寺(めいせきじ)」に到着しました。
ご本尊は千手観音さま・・・源頼朝にご縁のあるお寺として知られています。
また明石寺さんは「関所寺」・・・遍路姿の邪心を持つ者に仏罰を与えるお寺さんなのでしょうね・・・。
第1日めの日程は43番明石寺まででしたが、足を伸ばして44番大宝寺さんまでお参りすることに
しました。スリル満点の約1時間30分・・・山道をバスに揺られました。国道380号線−国道でも
道は一車線、運転手さんご苦労さまでした。

  

 辿り着いた大宝寺さんは杉木立に囲まれた、清々しく霊気あふれるお寺さんでした。山門の
厳かな仁王像と大きな藁草履が印象的・・・本尊十一面観世音菩薩が在す本堂は四面を蔀戸で
囲まれていて、とても心惹かれました。ああ、いいお参りが出来たなぁ−と、喜んで宿に向かい
ました。でも久万高原は本当に岩山の多いところでした。一泊した古岩屋荘の前の岩山は素晴ら
しい景観でした。

     

3日の朝起きてみると一面の雪景色でした。45番岩屋寺さんは有名な難所です。
足の悪い方もいらっしゃるし、第一私も足が心もとない・・・どうしようーと言う感じでした。
でも厳しいお参りがあるから修行なんや!!と心に思い不動明王のご真言と「南無大師遍照
金剛」と唱えながらー心に山道を登りました。本当に岩山に抱かれたような本堂と大師堂でした。
ご本尊は勿論「不動明王」さま・・・本堂にもお不動さまはいらっしゃるけれど、
岩山自体がご本尊不動明王さまであられるそうです。感想は・・・しんどかったけれど、辛くはない、
ここまで皆無事にお参りできて有り難かった・・・と感謝の気持ちで一杯でした。
とにかく雪のなかでのお参り・・・とてもインパクトがありました。一生の思い出です。岩山に梯子が
かかっていて法華仙人という仙女を祀った祠がありましたが、私は登れませんでした。

岩屋寺さんからは峠を超え山道をバスで辿りましたが、山を越える度に景色が変わり、浄瑠璃寺
さんに近付くと完全に雨模様の春景色に変わり標高差とはこんなものなのか・・・と感心して
しまいました。
次は浄瑠璃寺さん−薬師如来さまがご本尊さまです。ご本尊さまから五色の糸がつながって、
私たちを浄土に導くご誓願・・・糸をひけば浄土に往生できるよう導くお姿のようにおもわれました。
本堂にも大師堂にも童子姿のお人形が祭られていて、子宝をいただけるご利益があるのかなー
と、感じました。

  

47番八坂寺さんと、48番西林寺さんはすぐ近くのお寺・・・近くにお大師さまと八十八ヶ所に
深く関わった衛門三郎の菩提寺があります。因みに八坂寺は文武帝勅願で建立した時に八ヶ所
の坂を切り抜いて道を通したのが名前の由来になっています。四季の花が楽しめるお寺です。
また西林寺さんは、弘法大師が水脈を発見し旱魃に苦しむ民を救った伝説のお寺でした。

さて春の八十八ヶ所参拝は48番札所で打ち止めになりました。このたびは住職の代わりに
副住職龍昴師と嫁の真琴が同行してくれました。真琴はとても良い子でしっかり者です。
将来皆様と良いお付き合いをさせていただけることでしょう!!!
期待していてくださいね。

合掌


平成21年3月10日

■ 光明真言よもやま話
 彼岸明けの暖かさで桜がほころびかけましたが、花冷えの日々が続き四月を迎えました。
「久方の光のぞけき・・・」と古歌にあるようにうらうらと暖かい春の光に包まれますが、
爽やかな青空と肌を刺すような風が吹き渡っています。

 扨この度は「光明真言」のお話を・・・、受け売りですが皆様にお伝えしたいと思います。
真言宗にとってとても大切なご真言−−大日如来さまのご真言です。

『おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばらはらばりたや うん』

  「おん」は大宇宙の発する聖なる言葉 魔を除く音、
  「あぼきゃ」は不空(空しからず)=不空成就如来、
  「べいろしゃのう」毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい・大日如来)、
  「まかぼだら」不二の大印=阿しゅく如来、
  「まに」宝珠=宝生如来 
  「はんどま」蓮華=阿弥陀如来 
  「じんばら」光明
  「はらばりたや」放つ
  「うん」は聖なる音、魔を除く音

−−意訳すれば「歸命したてまつる、諸願を叶えたもう大日如来よ、仏と衆生と不二(ふに)である
との大印を持つ者よ、宝珠(財宝)を・・・蓮華(慈悲)を・・・光明(智慧)を放ちたまえ うーん」
 光明真言は五仏の功徳を併せ持ち、光明を以って魔を煩悩を罪障を取り除く功験(くげん)を
いただけるそうです。

 法要の際にお坊さまがたが光明真言をお唱えされる時、右手を袂にいれてかざしておられるのを
ご存知でしょうか? あれは五色光印といって五本の指から白黄赤青黒の五色の光を発するのだ
そうです。行者(お坊さま)が光を放ち仏が光を放ち・・・、光が交合する時無量の功徳が生まれて、
満場の参詣者がご利益を頂戴するとされています。
 弘法大師空海さまの著された「般若心経秘鍵(ひけん)」に「真言は不思議なり 観誦(かんじゅ)
すれば無明(むみょう)を除く 一字(阿字)に千理(せんり)を含み即身(そくしん)に法如(ほうにょ)
を証す」とありますが、
 「真言はまことに不思議な功徳がある。真言の意味をよく理解して一心に誦(となえること)すれば
煩悩や災厄、犯した罪を除くことができる。阿字(あじ・大日如来のこと)の一字に全ての智慧を含み、
その身そのまま悟りを得ることができるであろう」との意味だそうです。

 今月は私にとってもとても難しいお話をしてしまいましたが、光明真言や大師宝号を一心にお唱え
することによって、御仏(大宇宙)と繋がりが実感できて心の安らぐひとときが持てたら素晴らしい
ではありませんか。

合掌


平成21年4月3日

■ 卯月八日(うつきようか)よもやま話
 五月に入り野山は薄みどりの若葉で美しく彩られてまいりました。円満寺の庭ではあん
なに咲き誇っていた牡丹が終わりを告げ、淀川つつじが盛りを迎えようとしています。
 四月は盛夏を思わせるような数日の後、突然の寒さが戻ってきて思わずセーターを持ち
出して着込んでしまいました。皆様はお風邪をひかれずお元気にお過ごしですか?

 扨円満寺では5月5日花まつり(潅仏会・仏生会)の行事と新仏の髪納め法要を務めさ
せていただきます。遠い昔約2000有余年前インドに誕生されたお釈迦さまは悩み苦しむ
人々を導き、その教えはアジアを中心に世界に広まり仏教の開祖と人々に慕われています。
当日は白象の上に色々な花で飾った花御堂(はなみどう)を置き、甘茶をはった水盤の中
に誕生佛を安置して甘茶を注いでお釈迦さまの誕生をお祝いいたしましょう。

 ではどうして甘茶を誕生佛におかけするのでしょうか? また、どうして白象に乗って
おられるのでしょうか?お釈迦さまが誕生された時産湯を使うため、天から9匹の龍が飛
来して香油を注いだ伝説に、白象に載るのはお母様の摩耶夫人が白い象に乗った貴人が
お腹に入る夢を見て妊娠されたとの故事によるとされています。皆様に甘茶のお接待をい
たしますが、甘茶で墨をすり習字をすれば上達するとか、害虫よけのおまじないになると
かの伝承が語り伝えられています。

 さて併せて務めます髪納め法要・・・別名「卯月八日(うつきようか)」の法要と申しま
す。旧暦の四月八日には山に登り、石楠花(しゃくなげ)はじめ花々を摘んで長い竹さお
の先に花を飾り庭先にたて(天道花・テンドウハナと言う)太陽神に稲作の豊穣を祈る行
事との謂れがあります。卯月八日は山の神が田の神になって里におりる日とされていま
すが、また我々のご先祖さまは50年忌をすぎると山の神となり私たち子孫を見守ってく
ださるとの信仰も古来から伝えられ、播磨地方は「はななじめ」として山から花を迎え豊
作を祈って先祖供養を行い、併せて初盆にあたる死者の供養を、ひろく行なっています。

 円満寺では5月5日をお釈迦さまの誕生法要・新仏さまの遺髪供養として例年行なって
います。どうぞ皆様おまいりくださいませ。

合掌


平成21年5月2日

■ インドの日本人僧佐々井秀嶺僧正さま
青々と緑滴る六月を迎えました。明け方は肌寒い日もありますが、日中は30度近い日も
あり、寒暖の差で夏風邪を引き込みそうなここ数日です。五月は外国から新型インフルエ
ンザが海を渡って伝播し、主に関西の人々が被害に遭いました。風評被害?というか、過
剰反応?というか・・・病気の発生と共に関西経済は甚大な被害を受けたようです。
 今の日本のあちらこちらでインフルエンザの発症者のニュースが伝えられていますが、
何とか速やかに終息して欲しいものですね。

 扨 六月二十日は円満時で庚申大祭・大般若六百巻転読法要を行ないます。私達衆生が
生まれながらにもつ煩悩のなせる業(わざ)・・・罪とはならない罪・穢れ・病災厄をはらって
下さる庚申さま、また大般若六百巻転読法要のご本尊お釈迦様は自ら説かれたお経六
百巻の功徳により、私達の身の安全と健康延命をご加護してくださる有難い法要です。
詳しくは「ネット申し込み」欄、または昨年の「よもやま話」をご覧下さい。

 さてさて今月の「よもやま話」の主人公「佐々井秀嶺僧正さま」・・・先月20日私は種
智院大学密教講座に参加しました。別に佐々井僧正様の知識があったわけではありません。
真言宗の八祖さまである龍樹菩薩さまの「南山鉄塔」のお話も演題に入っていたので、と
ても興味を引かれ参加しました。
 参加者の前に登場された僧正様は、日本人ではありますが、本当にインドのお坊さま・・・
40年以上もインドに滞在して、カースト(インドの身分制度)の最下層に置かれた「不可
触賎民(ふかしょくせんみん)」と共に暮らし、みほとけの教えを説いて人々の心を癒し、
貧しい虐げられた人々の地位向上のための活動をされているそうです。紀元数世紀の間
に迫害を受け衰退したインド仏教の復興に尽くして、今は約1億人の仏教徒の指導者です。

 僧正さまは昭和10年岡山県新見市の山村の生まれ、反骨心にあふれた熱い心の少年で
各地を放浪しましたが、縁あって真言宗高尾山薬王院山本貫主(かんしゅ)の得度をうけ、
みこまれてタイ留学生としてバンコクに派遣されました。留学の最後にインド仏跡参拝を
志しインドに渡りました。インドでは藤井日達師開山の日本山妙法寺の仏塔建設に協
力・・・その後転機が訪れました。

 私はインドを訪ねた事はありませんが、旧デカン高原の中央部ナグプールという町が活
動拠点・・・その町に佐々井僧正さまは龍樹菩薩さまの導きでやってきたそうです。そし
てカースト制廃止を法制化し仏教を復興させたアンベードカル博士の遺業を継ぎ、多くの
貧しい人々の帰依をうけました。現在は龍樹菩薩さまの法城復興のために龍樹菩薩大寺
を建設中です。

 お話は種智院大学の講堂の一室でうかがいましたが、長いインド滞在の為か言葉がよく
聞き取れませんでした。ただ一生懸命ひたむきなお話・・・私達に伝えようとする大体の
内容は理解できました。でも素晴らしいですね―その存在感!佐々井僧正様を紹介して下
さった日本の高僧や学者先生がうその姿に見えてきます。
 聴衆の質問に答えて「私も別の豊かな町に赴いたら、美食をして贅沢に暮らしていただ
ろう。しかしあの町で民衆と過ごすのなら、死に物狂いで活動するしかなかった・・・」
 インドの国教ヒンズー教は清浄を尊(たっと)ぶそうですが、何億人ともいわれる不可
触賎民は、貧しく穢れた仕事を押し付けられた人々です。仏教の布教と活動で貧しい人々
を救うこと、龍樹菩薩さまの遺跡を探しまもること・・・僧正様は二つの使命を持って活
動しています。「私は毎日が真剣勝負!!!」佐々井僧正さまのお言葉だそうです。
 聞きたかった南山鉄塔のお話はあまり無かったけれど・・・

 「佐々井僧正さま」に出会えたことが一番の収穫でした。「こういうお坊さまがいらっし
ゃるんや!!!」感動といろいろ考えさせられる一日でした。では私達に何が出来るか?
 重い課題です。

合掌


平成21年6月3日

■ お施餓鬼の季節――平成21年7月
 七月に入りうっとうしい梅雨空が続いておりますが、皆様お健やかにおすごしでしょうか。
 月日が経過するのは洵にはやいもので、平成21年の折り返し点を過ぎ、施餓鬼法要やお盆の
季節を迎えようとしています。

 円満寺では7月19日(日)13時30分より平成21年度の施餓鬼法要を務めさせていただきます。
 扨 「施餓鬼法要(餓鬼への供養)」・・・皆様は自分の家のご先祖には「餓鬼道」で苦しんで
いる人なんて居るわけがない・・・と、お考えではないでしょうか?

私達が人間としての一生を終える時、魂は別の世界に旅立ち、命尽きた肉体はほろびてゆきま
す。残された人々は、死後の魂の平安を祈り懇ろに供養をされることでしょう。
お坊さま達は死後の魂が悪霊にさらわれぬよう結界を張り、み仏たちのご加護をえて、仏弟子
としての来世のすみか(浄土)の入り口にお手引きをいたします。死後の魂は四十九日間(中
有・中陰)自宅に留まるともいわれ、家族は追善の供養を怠らず喪に服して、七七の忌明けに
は浄土の蓮の台(うてな)に居ますことを祈願されることでしょう。
・・・ただ遠くさかのぼったご先祖さまや、ご縁のつながった精霊の中には苦しみを抱きなが
ら彷徨う精霊がおいでかもしれません。

仏教ではこのように見えざる世界を流浪する迷える精霊を「餓鬼」と言う言葉で表現していま
す。 私達人間は、生きてゆく為家族を守る為の本能で罪とはいえぬ「罪」をおもわず犯してし
まいます。 仕様がないですね――!! 私も来世は餓鬼道かもしれません。
施餓鬼法要では――施餓鬼壇の上段に「法界万霊(ほうかいばんれい)」の位碑を祀り、周囲
には宝勝如来(赤)妙色身如来(みょうしきしんにょらい・青)甘露王如来(かんろおうにょらい
・黄)広博身如来(こうばくしんにょらい・白)離怖畏如来(りふいにょらい・黒)の幟(のぼり)
をかけ、餓鬼さんへのご馳走(水・飯・餅他)を用意してお供えし陀羅尼を唱えて餓鬼
を寄せ集め―、

  餓鬼の心狭い悪心を破り福徳円満を具足する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宝勝如来
  餓鬼の卑しい姿かたちをやぶり、清々しい姿を具足する・・・・・・・・・・・・ 妙色身如来
  用意の食事がこの上なく美しく妙なる食べ物と変じ・・・・・・・・・・・・・・・・ 甘露王如来
  地獄の門を破りまた餓鬼の喉を広げ、充分に食べ物を食して満足し・・ 広博身如来
  餓鬼の恐れおののく心を悉く除き苦しみを逃れて、成仏にいたる・・・・・ 離怖畏如来

お坊さまたちは陀羅尼を唱え作法をして、ご先祖の供養と共に餓鬼たちを浄土に導く
御手引きをいたします。

五如来様のお導きと皆様の供養によって、迷える魂は満足や喜びを得て安らぎの境地に到り、
施主家はみほとけのご加護を頂戴することができるでしょう!!!

 つたない説明でしたが、何とか意図するところを汲み取っていただければ幸いです。
梅雨空で蒸し暑い毎日ですが、どうぞご健勝にお過ごしくださいね。
ではどうぞ施餓鬼法要にお参りくださいませ。お待ち申し上げて居ります。

合掌


平成21年7月2日

■ お盆の季節――平成21年8月
 8月を迎えましたが、まだ梅雨明けの知らせを耳にすることができませんね。一足先に関東
地方に「梅雨明け宣言」がでましたが、日本のあちらこちらで集中豪雨による洪水や土砂崩れ、
また竜巻や夏山の遭難など・・・、数多くの大切な命が失われ、けが人や多くの被災者がでて
しまいました。去年は山からの鉄砲水による神戸市の都賀川の水難事故があり、子供や
保護者が犠牲になられた痛ましい記憶をおもいだしてしまいます。

 私たち人間は日常の快適な生活を当然のことのように思い、快適さを追求するあまり、世界中で
CO2を増やし地球温暖化を招いてしまいました。この荒れた気象は温暖化が生み出した膨大な
エネルギーのなせる結果のようです。一人ひとりのエコへの取り組みと共に、日本の社会も緑の
産業の育成にもっと力をつくして欲しいものですね。

 日本は清らかな水に恵まれた優しい四季と共に過ごす社会でした。嘗ては大自然を敬い、
先祖や周囲の人々を思いやる人々の和を大切にした年月を過ごした懐かしい記憶があります。

 「無財七施」という大切な教えがありますが、七施に共通するのは「思いやり」「謙虚さ」
「奉仕のこころ」「実行する勇気」でしょうか!!――私も熱い心を持ち続けたいと思いながら
少し年老いたように感じられます。もうしばらくは背筋をのばし、頭を柔らかくして、瑞々しい
好奇心を持ち続けなくては・・・と、切に思います。

 さて8月は「お盆の季節」―ご先祖さまの御霊(みたま)がお里帰りされる季節ですね。
明治以前は旧暦の7月15日を中心に13日から16日にお盆のお祀りを行なっていたそうですが、
現在は7月に関東地方で、関西は8月13日〜15日にお盆の行事を行なっています。
 旧暦7月15日は、古来「中元(道教でいう三元信仰の一つ)」の日とされ、善悪を判別し
人間の罪を許す神を祭る贖罪(しょくざい)の日とされていましたが、仏教の盂蘭盆会
(うらぼんえ)と結びついて祖先崇拝行事となりました。日本ではこの日に祖霊を祀り、
ただいまの息災を祝って親類縁者が集い、仏さまにお供えをして死者の霊の冥福を祈り、
祖霊との共食を意味して白米・麺類・果物・菓子類を贈る風習があり、現在はこの贈答を
中元とよんでいます。

また7月15日は目連尊者が餓鬼道に苦しむ母を救うため、修行を終えた僧侶に百味の飲食
(ひゃくみのおんじき)を供養し、功徳により母を浄土に導いた盂蘭盆供養の日でもあります。

 円満寺では8月7日に迎え火法要(初盆)15日に精霊流し万灯供養法要(送り火法要)を
行います。初盆の施主家は7日の夕方、他の施主家は13日の夕方、迎え火を揚げご先祖さまの
霊を迎えます。精霊棚(仏壇)には施餓鬼会でお渡しした五如来の幡(はた)をおまつりして
おいて下さいね。お棚にはお位牌を安置し季節の野菜や果物、おがらの馬(胡瓜)や牛(茄子)
をおまつりしてお霊供膳をつくり、家族とともに「居ますがごときおまつり」をいたしましょう。
ご先祖様に追善供養をし喜んでいただく事が、皆様方ご一家の家内安全につながることでしょう。

 15日夕方には精霊流しとともに万灯供養(送り火)でご先祖さまをお見送りいたしましょう。
また来年にも帰ってきて戴けるよう心をこめて・・・。

合掌


平成21年7月31日

■ 9月に入りました――平成21年秋彼岸
 9月に入りました。日中は相変わらずの暑さですが、朝夕は爽やかな冷気が感じられるように
なりましたね。円満寺ホームページに訪れて下さる皆様、ご健勝にお過ごしでございますか?

 暦の上では「丑年は変化・変革の年」とか申しますが、今年は気候が安定せず東北や北海道は
冷夏や大雨・・・7月には九州や中国地方は集中豪雨の被害を受けて、尊い命が失われてしまい
ました。――そしてお盆前の8月9日には台風9号による大雨が兵庫県を襲い、佐用町や宍栗市で
河川の氾濫や山崩れが起こり、20数名の方が亡くなり床上浸水・床下浸水で大変な被害となり
ました。佐用町中心部ほどではありませんが高野山真言宗のお寺さんも被害に遭われました。
播磨青年教師会の青年僧やボランティアの皆さんが、浸水した家屋の泥の撤去や谷川の流木の
整理に力を尽くされました。――そして静岡県の大地震・・・東名高速道路が倒壊してお盆の帰省の
不安材料となりました。そして勢力を盛り返した新型インフルエンザ!!!・・・次々に起こる
社会不安―そして衆議院選挙が行なわれ、民主党の記録的な躍進、自由民主党は記録的な大敗を
喫しました。やっぱりダメですね――しばらくテレビを見たく無くなるほどの政界の混乱状態でした。
本当に今年は変化の年!!不安はあるけれど民主党政権、国民が暮らしも心も豊かに安定する
政治をして欲しいですね。

 扨 出来事のおおい日々を過ごしながら、秋彼岸の季節が巡ってまいりました。
「彼岸」は煩悩を脱した悟りの境地(涅槃・ねはん)のことで、煩悩や迷いに満ちたこの世(現世)を
「此岸・しがん」と言うのに対して、向こう側の岸「彼岸」と言う言葉で表現されています。
また「彼岸会」は雑節の一つで、春分・秋分を中日とし、春彼岸は「自然を讃え、生物をいつくしむ」
秋彼岸は「祖先を敬い、亡き人々を偲ぶ日々」――先ほどから度々登場する彼岸の世界を
「西方浄土」と呼ぶとおり、阿弥陀仏の極楽浄土は「西」にあるとされています。春分・秋分(彼岸の
中日)は太陽が北半球と南半球を移動する季節の変わり目のこの一日、太陽は真東から昇り
真西に沈みます。陽光あふれる秋の日、人々は真西に沈む夕日を極楽浄土への道しるべと信じ、
阿弥陀浄土に居ますご先祖さまを思い、敬虔な気持で合掌しました。

彼岸会は他の仏教国には行なわれていない日本独特の仏教行事です。ご先祖さまの霊はお正月
やお盆のように各家に帰ってこられるわけではありません。
 お彼岸は遠い浄土に住まっておられるご先祖さまの霊に追善のまことを捧げ、ただいまの家族の
平安を感謝する行事です。お彼岸の日々は家族揃ってお墓まいりをし仏前に香を手向け、お塔婆
供養をしてご先祖さまに「心のおたより」を差し上げましょう。
 また彼岸の7日間は「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の心の修行を実践する期間とされています。
以前に「よもやま話」でご紹介していますので詳しくご説明しませんが、「多忙な日常から暫く
自分を振り返り、周囲との調和・バランスのとれた考えや、ひたむきな生き方ができるよう勉める
ことではないか?」と考えています。

 円満時では9月20日(日)〜23日(水)秋彼岸先祖回向・四国八十八ヶ所お砂踏み法要を
務めます。またご参詣の皆様に「厄除けそば」のお接待をさせていただきますので、
秋の一日どうぞごゆっくりお参りくださいね。

合掌


平成21年9月7日

■ 秋四国遍路のたび─平成21年10月
 中秋の候となりました。とは云うものの日中は残暑の気配が色濃く残り、十月とは思えぬ
毎日です。先月は8月と打って変わり残暑厳しくて、晴天続きのお彼岸でした。十月に入っ
てからは秋雨前線が本州付近に停滞し、その上大型台風が日本に向かってきそうな天気図で、
初旬は雨模様の数日になりそうな気配が致します。

 さてさて円満寺は先月30日と10月1日の二日間第8回目の四国八十八ヶ所参拝で東予(愛
媛東部)から讃岐(香川)11ケ寺のお参りにいってきました。出発時から小雨模様・・・最
初のお参りは60番札所横峰寺(よこみねじ)・・・20数年以前に団参した地元のおばあち
ゃま方の「よこみねさん!!!」の詠嘆のなかには「すごい難所やった!」の思いが込めら
れていましたが、「以前とは随分違うだろうし、大丈夫、大丈夫」と思っていました。・・・
でも、やっぱりそれなりに大変でした。3月にお参りした雪の岩屋寺さんほどの緊張感では
なかったけれど、マイクロバスに乗り換えての山道の約20分間に数人が体調を崩されて、
申し訳ないことでした。

横峰寺と64番前神寺さん・・・古来は石槌山をご神体として遥拝する修験道のお寺であり
ました。後 弘法大師が大切な修行の霊地とされ、それぞれ星供・護摩供の秘法を修されて
四国霊場60番・64番札所として定められ、現在に至っています。61番香園寺は子安大師で
知られたお寺、62番宝寿寺さんのご本尊も安産の観音さまとして信仰を集めています。
63番吉祥寺 は毘沙門天さんがご本尊のお寺、他に「成就石」(目隠しで歩き杖が石の穴を
通れば何事も成就するとの伝承)とマリア観音でしられているそうです。

 

 2日めはやっとお天気回復・・・さて最初は65番三角寺さん、聖武天皇の勅願により行基
菩薩の開基、後弘法大師が登山されて本尊十一面観音、不動明王を刻み、三角の護摩壇を築
いて21日間降伏の護摩を修されたそう・・・、三角寺の名前はこれに由来しているそうで
すが、現在はご本尊さま、厄除け観音・子安観音として篤く信仰されているそうで、何だか
ほっとしました。

 66番からは讃岐の霊場・・・涅槃の霊場に入ります。まずは四国霊場中一番高所に立つ雲
辺寺、ロープウェイに乗って参詣する、当に雲の中に居ますお寺でした、山上は紫陽花、萩
金木犀の花がほころび、季節の 狭間を感じさせられて興味深いことでした。雲辺寺さんは
弘法大師空海が嵯峨天皇の勅願により開基、本尊千手観世音を刻み、仏舎利と毘廬遮那宝印
(びるしゃなほういん、仏法石)を山中に納め、66番札所と定められた。かつて「四国高野」
と呼ばれた寺域は鬱蒼とした巨木も多いなか、よく整備にされて清々しく緑あふれる雲上のお
寺でした。

 67番大興寺は山門すぐに弘法大師お手植えの楠と榧(かや)の大木に吃驚します。
ご本尊は大師が刻まれた薬師如来──嘗ては真言天台の道場として栄えたそうで、、本堂の
両側に真言天台の大師堂がおまつりされている、珍しいお寺です。

 68番神恵院(じんねいん)69番は観音寺は同じ境内を共有するこれも珍しいお寺ですね。
両方共に、神功皇后にご縁の或るお寺でそれぞれ阿弥陀如来・聖観世音菩薩をご本尊として
います。最後のお参りは70番札所本山寺─ご本尊は「馬頭観世音菩薩」です。戦火を逃れ
た諸堂はそれぞれが古雅なたたずまいを残し、後に建てられた五重塔も姿良く、美しいおてら
でした。

 お参りはそれぞれ般若心経と諸真言・大師宝号をお唱えし、
ご本尊のご詠歌・大師堂では弘法大師み光和讃をお供えして
います。み光和讃のご紹介を・・・          
山河蒼茫(そうぼう)はてもなくあわれさまよう旅人の
生死(しょうじ)の闇路明けぬ夜はなどかみおやを頼まざる
大日円々(えんねん)隅(くま)も無く生かされあるを知る朝は
こころすがしく旅人はみおや慕いてあゆむらん
南無大師遍照尊南無大師遍照尊


 いつもではありませんが、大師堂ではお大師様の気配を感じ、御詠歌を唱えながら感動し
て涙にじみます。
 御詠歌が皆様の心に光をともして共に唱和できるように心から願いながら八十八ヶ所を
めぐっています。

合掌


平成21年10月5日

■ 「十夜法要」に因んで
 朝夕はめっきり肌寒くなり、すっかり秋深くなってまいりました。しかしながら日中は気温が
高く汗ばむほどのお天気ですね。

 先日は私達寺族婦人会の研修旅行があり、大和の西大寺と長谷寺の参拝にいってきました。
西大寺は大茶盛式で有名なお寺さんですね。いつもテレビで映像を拝見して「わあっ・・凄
いなー!」と感心していました。ところが本堂にお詣りの後大茶盛を体験させて頂いて吃驚
!!本当に嬉しい出会いでした。

 お坊さまがお茶を点てて下さるのですが、お道具が何もかも大きくて・・・したがって扱う
袱紗も吃驚するほど幅広く、勿論茶筅は言うにおよばず、ザワザワと音を立てながらお薄
を点ててくださいましたが、その結構おいしかったこと・・・感動でした。私達の顔より二周
りほど大きい茶碗を手伝ってもらって、お茶をすするように戴くのはユーモラスですね。
貴重な体験をさせていただきました。

西大寺は真言律宗の大本山・・・称徳天皇(聖武天皇と光明皇后のお嬢さん)の開基です。
聖武帝が東大寺・称徳女帝が西大寺創建――国家をあげて仏教に帰依しておられたのが、
とても良くわかります。優しいお姿の本尊釈迦如来さま、松の木総造りの本堂はどっしりと、
万灯篭の光がとても暖かく感じられて、心伸びやかに感じられたお寺でした。

長谷寺は2月の「よもやま話」でご紹介しましたが、山中に居まして衆生済度のためスック
と立つ素敵な観音さまでした。このたびは特別拝観とて内陣にいれていただいて、今にも
歩き出しそうな「おみ足」に触れ「どうぞ、私のひざと腰が良くなりますよう、お救いくださ
い。」とお願いしてきました。私達が山内をぐるりと廻っていると、長谷寺の紋を刺繍した
袈裟をつけ、お供の僧をお連れになった高僧とお出会いし、楽しいお話を伺いました。随分
洒脱な方やなーと思いましたが、写真に入っていただこうとお願いしましたところ、「指名
手配中だから」と冗談をおっしゃり、お断りになりました。宗団の重要な職につかれた方な
のでしょうねえ・・・。

 さて「十夜法要」に因んで・・・真言宗では『五日三時法要(ごにちさんじほうよう)』
と申します。古くは中国唐の時代、惠果阿闍梨(けいかあじゃり)が付法の師不空三蔵(ふ
くさんぞう)への謝徳のために修された法要で、帰朝後弘法大師空海が高尾神護寺で恩師
惠果阿闍梨への報恩謝徳のために営まれたとされています。
 ただ日本では浄土宗系の十夜法要が有名で、「現世において善を修すること十日十夜すれ
ば、他方諸仏国土に於いて善を修する事千歳(せんざい)なるに勝る―」みほとけやご先祖
様への報恩感謝を込めて十日十夜(現在は一日一夜などに短縮)務めて、無量の功徳を
頂戴する法要です。

円満寺の十夜法要は、豊穣の季節を迎え、お米や収穫物を本尊さまや山の神田の神
(先祖霊)に捧げ、今年一年の平安と来年の無事を祈願してご先祖供養を合い勤めます。
今年も残り僅かの月日となりました。平成21年のご先祖供養の最後の機会です。
皆様お塔婆供養をささげ、遠き近きご先祖様へ感謝のまことをささげましょう。

合掌


平成21年10月28日

■ すこし早いですが「2009年ゆく年くる年・・・」
師走にはいりました。平成21年も後三十日足らず・・・。しかしながら十二月に入っても秋の気
配が残って、まだまだ紅葉の季節が続いています。昨年は東福寺さんの紅葉に出会えたの
ですが、今年は機会が無くて・・・、何とか名残の紅葉を見たいものです。

 さて今年は変化の年──集中豪雨や竜巻・地震などの災害、慢性的な不景気、人の心が荒ん
でいるのか、有り得ないような犯罪──自民党政権は適切な対応を誤って人心を失い、選挙の
結果民主連合政権が誕生しました。でもねえ・・・あまりマニュフェストに捉われて政権運営
は迷走気味のように見受けられませんか?  良くやっておられる部分もあって何とか日本の
将来のために頑張って欲しいものです。ちなみに鳩山さんはクリーンなイメージが魅力でした
が、政治資金については、(いくら自己資金にしても)ダーティーな感じでがっかりですね。

11月末からデフレ宣言やドバイショックがあり、一段と不況感が増してきました。失業者やそ
の他不遇の人々も含め、私達が希望をもって前進できる2010年を迎えることができるように、
為政者が語りかけ、また私達もそれに応じて努力したいものですね。

 又今年は今上天皇ご即位20周年の年でした。早いものですねえ・・・。昭和天皇が崩御され
て、当時の小渕官房長官が『平成』の元号を大きく掲げた姿が印象に残っています。
 先日は皇居前で祝賀行事が行なわれて、天皇さま美智子皇后もお出ましになり、共に提灯
を掲げ、EXILEの演奏やパフォーマンスを楽しまれたとか・・・、国民と共にひとときを過ご
された両陛下の笑顔が印象的でした。

 ちなみに皇后陛下について受け売りのお話を少し・・・。陛下は最近必ず正座をしてテレビ
をご覧になるそうです。どうしてテレビに正座なのか??私は全然知識がなかったのですが、
陛下が勤められる官中祭祀に「新嘗祭(にいなめさい)」という行事があります。亡くなった
母に11月23日は『勤労感謝の日』と言うけど、以前は『新嘗祭』といって学校に登校して『君
が代』を歌っていた・・・と言う話をきいた覚えがありますが、あまり関心もなく過ごしてきて
しまいました。

11月23日は勤労感謝の日──「勤労を尊び生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」とされ
ています。円満寺で行っている「十夜法要」もその延長線上の「食物の豊穣と人々の勤労に
感謝し、大宇宙と先祖に感謝を申し上げる行事」です。

 さて天皇さまの努める「新嘗祭」の行事──誰も知る術もありませんが、毎年その年の稔っ
た新穀や醸造した新酒を天照大御神(アマテラスオオカミ)はじめ天地の神々に捧げ、天皇
さまも神々と共にお給仕をされたりお食事になり、大地の稔りが豊かに国民のくらしが安らか
であるよう、祈りを捧げられる行事であるようです。

陛下は祭祀の長時間の正座の間、足の痛みで神様への祈願の集中力が途絶えぬよう、つね
に正座を続ける精進をされていると伺いました。老齢になられた天皇さまが懸命に国民の為に
祈りをささげたり、また両陛下が公務を勤められる奉仕のお姿に敬意を覚えます。
 すごいですね!!!常に国民の幸せを祈るお心は無情の菩薩さまに思われます。私たち
宗教家も見習わなければ・・・と、今更ながら反省いたしました。

 今年の最後の「よもやま話」は大晦日や新年のお話を申し上げませんでしたが、
どうぞ来年もご健勝で円満寺のホームページにおこしくださいますように。
合掌


平成21年12月1日