12月31日 23時45分〜
 除夜の鐘撞き始め
1月元旦 0:00〜
 修正会法要
1月 2日 10:00〜
 修正会法要
1月 3日 10:00〜
 修正会法要
1月24日 13:00〜
 初不動柴燈
   護摩祈祷法要

平成23年
■自分の座標軸――平成23年1月 平成23年1月8日
■二月を迎えました――平成23年2月 平成23年2月8日
■春彼岸と八十八カ所(阿波)参拝――平成23年3月 平成23年3月5日
■東日本大震災への思いと西国参拝よもやま話――平成23年4月 平成23年4月1日
■花水木の季節――平成23年5月 平成23年5月6日
■梅雨入の四国まいり――平成23年6月 平成23年6月6日
■私の体験発表「寺とともに過ごした人生」――平成23年7月 平成23年7月11日
■「大震災の年のお盆」――平成23年8月 平成23年8月5日
■秋彼岸よもやま話――平成23年9月 平成23年9月6日
■「大震災から半年」―平成23年10月 平成23年10月3日
■「お十夜の季節」―平成23年11月 平成23年11月4日
■ 「卒塔婆の話」―平成23年12月 平成23年12月6日

平成28年
◆平成28年のよもやま話
平成27年
◆平成27年のよもやま話
平成26年
◆平成26年のよもやま話
平成25年
◆平成25年のよもやま話
平成24年
◆平成24年のよもやま話
平成22年
◆平成22年のよもやま話
平成21年
◆平成21年のよもやま話
平成20年
◆平成20年のよもやま話
平成19年
◆平成19年のよもやま話
平成18年
◆平成18年のよもやま話
平成17年
◆平成17年のよもやま話

■ 自分の座標軸――平成23年1月
明けましておめでとうございます。年頭に当たりまして皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申
し上げます。


昨年末から新年にかけて寒波襲来・・・家に篭っていたいような三が日・・・皆様は三日間どの
ようにお過ごしでしたか?
 今年は『卯年』うさぎちゃんの年ですね! 飛躍の年と言いたいところですが、しかしながら古
(いにしえ)の伝説『因幡の白うさぎ』や寓話『うさぎと亀』の主人公の兎ちゃんは、どちらも相手
を騙したり軽んじたりして、惨めな手痛い結果を招くという余り有り難くないお話が多く、従来の
兎に抱く「おとなしくて賢い」イメージとは一致いたしませんね。

 突然話題が替わって申し訳ありませんが「軽んじられる」ということ―私たちは選挙により民主
党政権を選んだのですが、普天間基地問題で政権挫折・・・対米外交にも不協和音が出た結果、
中国とは尖閣列島問題、ロシア相手に北方四島問題で弱腰外交が目につき、長引く経済不況問
題もあって国民の支持を失ってしまいました。やっぱり日本が世界で軽んじられるのを見るのは
嫌やねえ・・・。外交は武器を使わない戦争といわれるそうですが、国家としてできる根回しなど
をして、(ロビー外交や経済援助)日本はまだまだ底力のある国と外国に認識されるような国力を
回復してほしいものです。すくなくとも国会の場で政権闘争に明け暮れるような場合ではありませ
んね。『卯年』に例えて「おとなしくて聡明な日本」勇気をもって今年は飛躍してほしいと願います。

 この間から考えていたのは「自分としての座標軸」――座標軸というか、もう一方では曼荼羅の
上にたっている自分・・・座標軸は面白いですねえ――点・線・奥行・容量のあるかたち・時間・
空間etc-その上でどこに自分が存在するのか、自分の立ち位置をどこに置いたらよいのか!!

 お正月の三日間納骨堂の留守番をしながら浅田次郎氏著の「中原の虹」を読みました。
相変わらずの飛ばし読みで内容を把握してないかもしれませんが、その一節
「生きとし生ける者、なるべく正しくなるべく深く歴史を知らなければならない。何故ならば何時い
かなる時代に生きる者も、みな歴史上の一人であるからだ。では何故歴史を知る必要があるの
か?自分の歴史的な座標を認識する必要があるからだ…中略
全ての欲望を捨て自分の権利を捨て去ることが「政治」であり、それを体現する者・民の平安を
わが勲とするものが「政治家」である。更に過去の歴史を照覧し現在の状況を思案して未来の
民に利をもたらすことが上善の政治である。――後略」

さて―私の座標軸・・・いつも変りようがないのですが、心をこめて「圓満寺」を支えること、
訪ねてこられる皆様の気持ちを少しでも癒して差し上げること、少しでも本尊さまに親しんでいた
だいてご加護を頂戴してもらうこと、圓満寺が次の世代にも必要とされるよう力を尽くすこと――
圓満寺に御縁があって存在しているのですから、ちゃんと働かなくてはね!!!

また話題が替わりますが、圓満寺では1月末の30日恒例の初不動柴燈護摩供養法要を相努め
ます。今年の各家の皆様の平安を祈願して執り行います。どうぞ皆様お揃いでお参りください。

  

合掌


平成23年1月8日

■ 二月を迎えました――平成23年2月
二月は如月(きさらぎ)とも申しますが、寒さが募る日々、着物の上にさらに着物を重ね着すると
言う意味で「着更着(きさらぎ)」と名付けられたとも言われていますが、ここ数日は新年からの
寒さが少し和らぎ、穏やかな「節分」と「立春」を過ごすことができました。

 節分と立春…旧暦では大晦日と元旦にあたりますが、一説に拠れば「秋冬の神と春夏の神が
交代する境目の日」――この季節の交代する日々に忍び寄る災厄の精霊を追い払い、幸運の
訪れを祈願するため各地で「鬼追い」や「湯立ての神事」「節分星供養祭」が行われています。
圓満寺では先日「初不動柴燈護摩供養法要」を行い、不動明王様の全ての災厄を焼き尽くし
全てを浄化する「火」で皆様のご運を清めていただきました。今冬一番の寒さでしたが、大気も
清らかに澄み渡り晴れやかな一日で柴燈護摩の火もとても綺麗に立ち上がり、護摩の煙にも
皆様があたっていただけたので、とても有り難い厄落としに出会って戴けたのではないかと、
喜んでおります。

  

 さて2月は円満寺の行事がなくて余りご案内する話題も少ないのですが、先日寺族の御詠歌
講習でお勉強した「高野山根本大塔和讃」にちなんだお話におつきあい戴きたいと思います。

   帰命頂礼大日尊(きみょうちょうらい だいにちそん)
   仰(あお)げばいよいよ高野山(たかのやま)
   その中台(ちゅうだい)にそびえたつ
   真言流布(しんごんるふ)のみなかみや
   根本護国(こんぽんごこく)の大塔婆(だいとうば) ――後略――

 さて和讃の内容ですが、「根本大塔は弘法大師空海様が、大日如来さまのご加護によりこの
世を浄土と化す祈願をされて建立されたこと、塔が真言宗の教えそのものを表現していること、
浄土実現のためには国がよく治まり、民が満ち足りて安らかであるよう祈願すること、私たち
信徒は大日如来さまとお大師様のご加護に深く感謝して、篤い信仰を捧げなさい。」・・・
私なりの解釈でごめんなさいね。一番のみをご紹介したのですが、言葉がむずかしくわかりに
くいですね

 皆様もすでにご存じだとは思いますが高野山には二大聖地ともいわれる奥之院と壇上伽藍
(だんじょうがらん)が中心となっています。奥之院は弘法大師空海さまの居ます御廟所、大師
信仰の源であり、また壇上伽藍は真言宗の教えの中心になる金堂をはじめ諸堂がたち並び、
人々の信仰をあつめています。
 その中でひときわ異彩を放ち参詣者を圧倒する朱塗りの大塔が高野山根本大塔です。
本当に美しい!!!の一言に尽きると思いますが、現在の塔はお大師様、第二世の真然大徳
(しんぜんだいとく)様建立の塔ではありません。何度も落雷の火災にあい、現在の塔は昭和
12年に復興されたのだそうです。でも私より???才年上、もう74歳にもなっているんですねえ。
 とにかくこの美しい塔は真言宗の教主さま、大宇宙の存在そのものの大日如来様の存在と
その教えを目で見えるかたちで表現し存在しています。

真言宗の教えは「人との調和・自然との調和」そのためには「自分の役割をどのように生きる
べきなのか」を目指しているのではないでしょうか?
 真言宗の難解な教えをつまびらかにご説明はできませんが、根本大塔は外から拝しても、
内部を拝観しても、美しい調和に尽きるとおもいます。「この世を浄土へ」とのお大師様の御
誓願が私たちにもひしひしと伝わってくるような、そんな気がしてなりません
 ちなみに根本大塔は金剛界曼荼羅を象徴し、内部には本尊さまとして胎蔵界(たいぞうかい)
大日如来さま、周囲には金剛界の四仏さま(阿しゅく・宝生・阿弥陀・不空成就)が立ち並び
柱には十六菩薩が描かれている、金胎不二(こんたいふに)の大曼荼羅となっています。
 またお大師様は真言密教の源流である、南天竺の南天鉄塔に模して根本大塔を建立された
とか――

 弘法大師付法伝によれば、真言宗の起源は釈尊入滅後約800年(1700年以前)の頃、龍猛
(りゅうみょう)(龍樹)菩薩が出世せられて、南天鉄塔を開いて秘密教を初めて人間に流布せ
られたと言う。南天とは南インドの事で、そこに存在したといわれる塔である。伝説によれば
大日如来の所説の法門を、その上首たる金剛薩?(こんごうさった)が結集して、機を見て授
けんとしてこの塔に納め覆いたるを、龍猛菩薩がついにこれをひらいてその経典「金剛頂経」
を伝授せられたとされる。

 南天鉄塔の発掘についてはインド在住の日本人僧『笹井秀嶺僧正様』が尽力されている
ことを、先年の「よもやま話」で確か紹介したのではないかと記憶しています。

 笹井僧正さまの篤い心を戴いて私たちも一層精進したいものです。
合掌


平成23年2月8日

■ 春彼岸と八十八カ所(阿波)参拝――平成23年3月
三月を迎えました。年が改まってからは行事が多く、2月も八十八か所参拝旅行もあったりして、
本当に月日はアッと言う間に過ぎ去っていきますね! 2月は14日にこの地方には珍しく雪が降り
圓満寺の五重塔もうっすらと雪化粧に包まれました。でもその後はめっきりと春めいて、通学して
いるいなみ野学園の校庭の梅がほころびかけました。

  
雪の五重塔 咲き始めた梅

また引き続いての八十八か所参拝も穏やかなお天気に恵まれて、嬉しい有り難い参拝旅行となり
ました。この度は写真を少し多めに写すことができたので、写真をご披露しながら、ご案内をしよ
うと思っています。

まずこの旅は2/22〜23日八十八か所13番から23番札所まで…この旅で阿波の国(徳島県)「発
心の道場」の旅は打ち止めです。最初に訪れたのは13番大日寺――町中のこんもりとした森に
包まれ、阿波一宮神社が向かいに鎮座して、依然は一の宮神社の別当寺ではなかったか?と
思われます。御住職は現在韓国のご婦人が務めておられるのではないでしょうか?。境内には
ほんのり優しげな観音像がお祀りされ、隣地には韓国舞踊の研修施設らしき建物が建ってい
ました。御札所も御住職の色合いが反映されて、とても興味深いものですね。創建時は弘法
大師作の大日如来さまが本尊でしたが、現在は一の宮神社から遷座された十一面観音様が
本尊となっています。

   
大日寺の観音様

次の参拝は14番常楽寺、本尊は弘法大師が刻まれた弥勒菩薩さま――巡錫中の弘法大師様
が弥勒菩薩の来迎に出会い,直ちにお姿を刻んだとされています。弘法大師様にはご縁の深い
お寺・・・唯 足元の「流水岩の庭」―足元がちょっと怖かったかなあ!ものさびた静かな印
象の御札所でした。大師堂には一杯お人形がお供えされていて、参拝者の篤い信仰がうかがえ
ました。

   
14番常楽寺 常楽寺大師堂の人形

 引き続いて15番国分寺――奈良時代聖武天皇の創建ですが、その後弘法大師が巡錫されて
真言宗に改宗、後年戦火にあい再建後曹洞宗に改宗されたました。やはり禅宗のすがれた清
らかさが漂って、境内には紅梅が咲き匂い一足早い春を満喫させてくれました。

   
15番国分寺 国分寺の梅

次は16番札所観音寺さんは聖武天皇の勅願道場、後に弘法大師が巡錫され千手観音菩薩を
刻んで本尊とされた。このお寺で、同行の遍路さんは笈づるの襟にお大師様筆跡の光明真言
の印を押していただき、とても喜んでいただきました。

17番札所は井戸寺さん、弘法大師様がこの地で一夜のうちに井戸を掘られ、人々の危難を
救ったエピソードが伝えられています。とても規模の大きい繁栄しているお寺……
ちょっとお近づきになりにくいかなあ???
お昼ごはんを頂いてから20番鶴林寺さんの参拝――幽邃な山中のお寺・・・どの御札所もあり
がたいですが、このようなお寺に心惹かれます。このお寺で同行の遍路さんは鶴の印を笈づる
にいただかれました。

   
20番鶴林寺 鶴林寺の鶴

引き返して19番立江寺さん――悪事をたくらむ者や邪心を持つものは弘法大師の罰を受ける
という厳しいお寺です。本尊延命地蔵菩薩は人々の篤い信仰をうけています。 まあ…立派な
お寺罰を受けたお京(不倫殺人を犯した)の遺髪堂にもお参りしてきました。
22日は早めに民宿に入り、23日のお参りに備えました。

   
19番立江寺

 さて23日は7時過ぎに出発、18番恩山寺に参拝しました。弘法大師と母君玉依御前(たま
よりごぜん)の親愛の情にまつわるお寺・・・大師堂と玉依姫の小堂が仲良く並んでいます。
つぎは一気に足を伸ばして23番薬王寺のお参りをしました。平城天皇の勅願により弘法大師
空海が厄除け祈願道場として開基されたお寺です。男坂42段、女坂33段、還暦の厄坂61段
の下には薬師本願経を刻んだ小石がうずめてあり、階段を上り厄落としができると言う・・・

   
18番恩山寺 23番薬王寺

 22番は白水山平等寺――本尊は薬師如来、平等寺の寺名は「一切衆生を平等に救済する」
という意味があるとされています。また弘法大師が掘った白水の井戸は万病に効く霊泉として
人々の信仰をあつめています。最後は21番札所舎心山太龍寺――弘法大師空海が山頂で虚
空蔵菩薩求聞持法を修されました。修法する大師を峰の大龍が守護したと言う・・・・・。さすが
西の高野山―本堂うらに奥之院の御廟がお祀りしてありました。太龍寺は桓武天皇の勅願寺、
広大な境内を樹齢千余年を過ごした巨大な杉に覆われた中幾多の諸堂が立ち並んで、壮大な
スケールのお寺と言えましょう。お大師様はまさにこの壮大な宇宙と同化されたんだなあ!!
と感銘を覚えました・

   
21番太龍寺 太龍寺本堂

 大龍寺さんで今年最初のの参拝は打ち納め――この度の八十八か所巡拝は小人数の旅で
少し淋しいけれど、ゆったりときめの細かい参拝を続けられそうです。

 さてお彼岸のご案内・・・春彼岸の各家へのお参りを3月6日から23日までの期間相努めます。
お彼岸の期間は21日(中日)を挟んで前後3日間―多忙な日々から少し距離を置きながら、自
分の心の在り方をみつめ、はぐくみ育てて戴いたご両親や遠い御先祖さまへの感謝をこめて
菩提寺やお墓詣りをする日々を過ごしましょう。自分の利害のみを見つめず「心のバランス」を
とれる『やわらかい心』を取り戻そうではありませんか。
合掌


平成23年3月5日

■ 東日本大震災への思いと西国参拝よもやま話――平成23年4月1日
春彼岸参りも恙無く終わり4月を迎えました。しかしながら3月11日に起こった三陸沖海底を震源
とする大地震、引き続いて襲来した未曾有の大津波――二三日後に判明した東京電力福島第
一原子力発電所の事故・・・余りにも広範囲大規模な事故にテレビ画面から目を覆いたくなるよ
うな有様が伝わってまいりました。

阪神大震災の時には被災地からすこし距離があり、目立った被害を受けなかった圓満寺でした
が、五重塔の中は三層から上の階は納骨壇が傾き香炉の灰が飛び散って恐ろしげな状態でし
た。幸い各階の御本尊さまは本当に安全な状態でゆるぎなく、おかげを頂いたと有り難さにほっ
と胸を撫で下ろした事を記憶しています。

この度の東日本大震災―あまりにも広範囲で規模が大きく亡くなられた方、行方不明の方々
の人数も把握できず、まして被災者の皆様がどのような状態でいらっしゃるのか、テレビその
他の情報で知って心配するばかりで、何のお役にも立っていないのがもどかしくて、申し訳な
い気持ちで一杯です。
 阪神大震災の時は地元でもあり、私たち寺族婦人には小紫槇子さんと言う強力なリーダーが
いらっしゃって、真言宗の青年僧と共に小紫さん指揮のもと神戸に炊き出しのお手伝いに出向
しました。

この度は関西からボランテイアするには距離が遠く、猶かつ年齢を重ねてお役に立てそうもな
いので、圓満寺からは義捐金の寄付と水の準備をして発送しました。ご家族を地震と津波で失
われたご遺族の皆様、さぞかしお辛いことでしょう。また集落ごとご家族ごと行方不明の方々
なんと無残なことで御慰めの言葉も見つかりません。また自宅や職場を失われた皆様、一日も
早い復興をお祈り申し上げます。日本人皆で応援する気持ちでいます。一日でも早く笑顔を取
り戻してくださいね。
またその上福島原子力発電所周辺の皆様さぞかし不安で将来が見えず、お困りのことでしょう。
政府と東京電力は現状を明らかにし、周辺の皆様の人命と生活を保障してください。
何かお役に立つことはないか?と思えば私たち宗教にかかわるものは、亡くなられた方や行方
不明の方の慰霊をし、ご遺族や被災者の御心を癒すお手伝いしかありません・・・唯々祈るの
みです。

 さて西国参りのご報告――この度は第4番槙尾山施福寺(まきのおさんせふくじ)・第5番紫雲
山葛井寺(しうんさんふじいでら)・第6番壺阪山南法華寺(つぼさかさんみなみほっけじ・通称
壺阪寺)・第7番東光山龍蓋寺(とうこうさんりゅうがいじ・通称岡寺)・第8番豊山長谷寺(ぶざ
んはせでら)。番外豊山法起院(ぶざんほっきいん)・第9番興福寺南円堂(こうふくじなんえ
んどう)・・・奈良・大和地方のお寺の参拝でした。それにしても槙尾山のしんどかったこと――
難所とは聞いていたけれど、馬の背を歩くようなコンクリートの道やごろごろ石の石段を30〜40
分余り、お寺からの眺望は抜群でした。弘法大師空海さまが青年時代ご修行されたお寺、お大
師様所縁のお寺も結構ありますね。この度は結構階段や坂道の多いお寺が多く長谷寺さんや
壺阪寺さんは規模の広さに今更ながらびっくりしました。

   
興福寺南円堂 壺阪観音

番外法起院は西国三十三番御札所創始者徳道(とくどう)上人をお祀りしたお寺、一度病を得て
来世にわたり、閻魔大王の依頼をうけて三十三カ所の宝印を携えて衆生救済のため現世にもど
られたとのこと。三十三カ所の御札所は当時実現せず、花山法皇が尽力して実現したとの由来
があります。

 長谷寺の観音さま・・・なんどお出会いしても本当に感動してお慕いしたくなる仏様です。それ
ぞれ素晴らしい本尊様ですが、壺阪寺の観音様もやさしげな面立ちの素晴らしい仏様でした。
長谷寺は以前にも紹介していますので早春の花を紹介します。

   
長谷寺の花@ 長谷寺の花A

   
長谷寺の花B 長谷寺の花C

 興福寺は藤原氏の菩提寺で、南円堂は藤原冬嗣が亡父菩提のために建立したとされていま
す。南円堂の本尊様は秘仏でお出会いはできませんでした。こちらでの収穫は国宝館で有名な
阿修羅像におであいできた事・・・ほかの天竜六部衆もとてもかわいかったですよ!!!

   
阿修羅像

   
八部衆@ 八部衆A

来月の「よもやま話」ではもう少し明るい話題で皆様とお話ししたいものですね。
合掌


平成23年4月1日

■ 花水木の季節――平成23年5月6日
 あっと言う間に5月を迎えました。花水木の季節ですね。
ついこの間まではソメイヨシノや山桜の見事な花のうねりや八重桜のぽったりした花々をめでて
いましたが、東北の方々の災難が心を離れず、自分たちの不自由のない日常を本当に申し訳な
く感じる毎日でした。
 ようやくこの頃は、被災していない私たちが日常通り遊んだり消費することが、世の中のお役
に立つ・・・とのテレビや新聞の報道をみながら、「ああ、私たちも遊んでいいのかなあ・・・」と
思えるようになりました。
 何かお役に立てるようなことがあれば!とか「被災された皆様が笑顔になれるようなお役に立
ちたい」と思うのですが、義捐金の寄付しかできなくて、申し訳ないことだと思います。でも3/11
から1か月余り・・・復興に立ち上がりかけた話題を目にして、思わずほっと胸撫で下ろす今日
この頃です。

 この度のゴールデンウィークの休日を使って日帰りバスツアーでボランテイアされる方とか、、
どうしようもなく大変な現状ながら力強く勇気がわく話題もあって、本来の日本人の素晴らしさ
を思い起こして感動する毎日です。心を一つに…「がんばれ…日本!!!」ですね。
 さて見渡す限りのみずみずしい若葉の季節となりました。特に薄紅色や薄緑の柔らかい色合い
の花水木は本当に初夏にふさわしい景色で私たちの目を和ませてくれます。
今年はお水取りが過ぎても何だかうすら寒い日々でしたが、そのためか牡丹の開花が例年よりも
遅れて5月5日の花祭りに皆さんにご覧いただくことができました。


 ちょっと遅れてしまいましたが、花祭り髪納め法要のおはなし・・・花祭りは灌仏会(かんぶつえ)
ともいわれて、釈迦如来の生誕祭・・・お釈迦様が生誕されたとされる4月8日(卯月八日)には
「摩耶夫人がルンビニーの花園でお釈迦さまを産み、その折に天から龍が下りてきて香水を
吹き注ぎ産湯をつかわせた」などの故事に基づいて行事が行われています。(花御堂の花はル
ンビニー園の花を、甘茶は天からの香水を象徴しているとされています)


また日本古来の伝承によれば「卯月八日」は「農事はじめの日」とあり、春の一日山に入って、
水向け供養・花供養を行い、花枝に山の神(田の神となる)あるいは先祖霊を依り代(よりしろ)
として付着させて持ち帰る習いであったそうです。このご先祖の霊に供える花供養が圓満寺の遺
髪供養につながるような…さまざまな花に包まれたゆかしい行事といつも感じて務めさせて戴い
ています。当日は新仏様のお塔婆供養を読経と「花祭り和讃」で行い,髪塚に遺髪を納めていただ
いて水向け供養を行って、たくさんの皆様にお参りいただきました。

圓満寺の行事はそれぞれ意味合いがありとても有り難い行事なのですが、花祭りの行事は本当
に一杯のお花に包まれた華やかな行事で、皆様にももっとお参り戴けたらきっと賑やかな行事と
なり、素晴らしいお参りをしていただけるのではないか?と、とても期待しています。
甘茶はお家の四方に撒けば、一年の虫除けになるとか、墨に甘茶を入れたらお習字が上手にな
るとか・・・いろいろな謂われもあるそうですよ。

六月末には庚申大祭・大般若経六百巻転読法要を相努めます。猛暑の季節を迎える前に皆様の
除災・健康を祈願する法要ですので皆さまお揃いでお参りくださいね。

また六月初めころから皆さまに長くお待ちいただいていた新納骨壇永代供養の予約を受け付け
ます。よろしければどうぞご利用下さいませ。
合掌


平成23年5月6日

■ 梅雨入の四国まいり――平成23年6月
皆様こんにちは! ここ播磨地方は5月末から梅雨入をして鬱陶しいお天気が続いています。
私の感覚から言えば例年よりも10日ばかり早い梅雨入り宣言だったように思うのですが、
皆様はどのようにお考えでしょうか?  

 私としては――5月にはもっと良いお天気の日が続いて、お布団を干して気持ちよくなった
り、衣替えをして爽やかさを感じたり、しばらく庭の草引きを頑張って、ほっと安心して梅雨空
を眺め、青紫や白色の紫陽花の美しさを楽しめたら、とても嬉しいのですが・・・。
でもこんなことを言っていても仕方ないですね! 季節の移り変わりも天の思し召しに違い
ありませんものね。

 さて、6月の円満寺は30日に「庚申大祭・大般若経六百巻転読法要」をつとめさせていた
だきます。毎年「よもやま話」でご紹介していますので、軽くのご紹介・・・

 円満寺の法要は「ご先祖供養」と「ご祈祷法要」の二種類にわかれていますが、この度の
「庚申大祭・大般若経六百巻祈祷法要」はご本尊の庚申様にご祈願を申し上げて、皆様がた
お一人一人のお体を浄化したリ、災厄を払って戴いたり、ご一家の繁栄を祈願する行事です。
またお釈迦様が広められた大般若経六百巻をお坊様方が転読される御利益によって、ご祈
願される皆様にご加護を頂戴することができます。

 神道では「大祓(おおはらい)」「夏越の祓(なごしのはらい)」と言いまして半年の禊(みそぎ)
が行われますが、円満寺では「初不動柴燈護摩供法要」と「庚申大祭大般若経転読法要」
を務めて、皆様方の御加護を申し上げております。この度の法要は「こんにゃく加持」「炮烙
(ほうらく)加持」や「大般若加持」があったり、本堂の正面のお軸の本尊のお釈迦さまや周囲
の十六善神さま・・・ご祈祷されている道場の十二天屏風・・・見えざる世界の私達に恩恵を
さずけて下さるお姿をこう言う行事の際に垣間見るのも、とても興味あることかもしれませんね。

 さてこの間お参りした八十八箇所のおはなし――5月31日は、まあまあのお天気・・・この
度から高知県に入りました。徳島県は「発心の道場」高知県は「修行の道場」24番最御崎寺
(ほつみさきじ)〜34番種間寺(たねまじ)さんまでの参拝をしてまいりました。やっぱり高知県
までは遠いですね。6時30分円満寺出発なのに11時30分頃に土佐青年大師堂に到着
しました。土佐は弘法大師空海さまがご修行をされたところ・・・お大師様ゆかりの遺跡が残
っています。

   
青年大師堂上 太平洋を望む

 引き続いてご修行された「御蔵洞(みくろどう)」にお参りしました。御蔵洞は室戸岬の突端
の岩山にあり、天井から水が滴り落ちていました。お大師さまが自ら「空海」と名乗られた記
念の場所、洞窟からの眺めは本当に「空」と「海」こちらで虚空蔵菩薩求聞持法(こくぞうぼ
さつぐもんじほう)を修されて「明星来影す」――ご自分の体内と宇宙が一体化するのを会得
されたのではないでしょうか。・・・だからお名前も「空海」思わず感動して合掌する遺跡でし
た。

   
御蔵洞 最御崎寺

 最初にお参りした札所は「最御崎寺」ご本尊様は虚空蔵菩薩さま、引き続いて25番札所「津
照寺(しんしょうじ)」ご本尊様は楫取り地蔵様、海上安全の守護仏さまとして知られています。
26番金剛頂寺(こんごうちょうじ)は行基菩薩開基のお寺、27番神峯寺(こうのみねじ)は
当初天照大神ほか諸神をお祀りした神社でありましたが、行基菩薩が十一面観世音菩薩を
刻み本尊とされたお寺・・・後に弘法大師空海さまが巡錫されお札所と定められました。神峯寺
は緑深い山中にあり険しい階段の難所でした。三菱財閥の岩崎弥太郎の母が弥太郎の開運
を祈願して日参修行したお寺として知られています。凄いつづら折りの山道で片方の車輪が浮
いているような運転のハードな山道でした。大変な難所ですが、山深くて神さびていて、ああ
いうお寺にお参りするの大好きですね。31日は遠距離の道程だったので4ヶ寺のお参りで
打ち止めでした。

神峯寺

 翌朝6月1日は早朝7時前に出発・・・生憎の梅雨空で雨もようのお参りになってしまいました。
28番大日寺さんはレインコートをきて本堂でのお参りをし、大師堂で般若心経と「弘法大師
み光和讃」をお唱えをしている間に、お大師さまがおかげをくださったのか、一瞬に黒雲が切れ
て雨上がりの空となりました。T日の天気予報は雨の予報だったので、本当にうれしい!!!
29番国分寺は手入れの行き届いた美しいお寺・・・引き続いて30番善楽寺さんとお参りを
済ませ、今度は34番種間寺さんに足を進めました。種間寺さんはお大師さまが唐の国より
五穀の種を持ち帰ってこの地に蒔かれたのが由来とされています。また33番雪渓寺さんは
臨済宗のお寺となっています。いかにも禅宗おお寺さんらしい造りとなっていますね。

 32番は禅師峰寺(ぜんじぶじ)昨日の難所ほどではないけれど、やはり岩山に囲まれた階
段の多いお寺さんでした。最後のお参りの札所は31番五台山竹林寺、ご本尊は文殊菩薩
さま・・・とても見晴らしが良くて、苔蒸した日本庭園が素晴らしかったり、お花が綺麗だったり・・・
お参りが一番大切ですが、でもとても見ごたえのあるお寺さんでした。随分端折ったご紹介で
申し訳ありませんが、とにかく大した雨にも出会わずに皆様全員元気でお参りを済ませてくだ
さったので、本当に有り難いことでした。

   
竹林寺@ 竹林寺A

 それにしても高知県は河川の多い所ですね!そして大自然のスケールの大きさを感じさせ
られるところ・・・お参りしてみて感じるのは、四国は本当にお大師様のお膝下、人間はやはり
宇宙を身近に感じ、自然に寄り添って謙虚に生きるのが本来の姿ではないか?と強く感じま
した。と言うことでこの度のご報告はここまでとさせていただきます。また秋には残りの高知
県のお札所をお参りしたく思っています。みなさまもよろしければ御揃いでご一緒いたしま
しょうね。

合掌


平成23年6月6日

■ ――私の体験発表「寺とともに過ごした人生」―― 平成23年7月
7月にはいり10日余りが過ぎてしまいました。8日には去年より10日程早い梅雨明けで、
たちまち直射日光がジリジリと降り注いでまいりました。今年は15パーセントの節電とい
うことで、高齢者が熱中症で病院に搬送される方が増えているとか・・・、十分にご自分を
大切にしていただきたいものです。
さて私はこの度いろいろな行事が重なり「7月のよもやま話」の準備ができませんでした。
お読み戴いている皆様に申し訳なくて、お詫び申し上げます。
先日通学している「いなみ野学園」の体験発表をいたしました私の原稿をご披露して、
「よもやま話」の代わりとさせて頂きます。

「寺と共に過ごした人生」 
 ――私は昨年から文化1組で皆様の仲間に入れていただいている亀田孝子と申します。
私は加古郡播磨町の「円満寺」というお寺で生まれて、約40年間住職の家内として過ごし
ています。若い頃はほんの少しOLをしたこともあったのですが、結婚以来余り外にでる機
会もなく過ごしてしまい、「体験発表」といってもあまり皆様にご披露することも少ない人間
なので、とにかく日頃の有るがままをご紹介して聞いて戴こうと思っています。

 私はちょっと戦前うまれ・・・両親は二人共明治の人でした。戦前戦後の苦難を乗り越えた
人達なので、勤勉で自分に厳しく質実剛健、母の方はとにかく働き者で自分に厳しく人にも
厳しく、周囲から一目置かれていました。私は60数年の人生で両親と長男を見送りました
が、「臨終」というのはそれぞれの人生の集大成・・・それぞれ大切な重いものを残して
くれたように思い出されます。

 母は働き抜いての突然死―お風呂に入るのが好きな人で「無理やと思っても風呂に入るの
を止めるな。」との口癖通り、お風呂に入ったまま突然旅立ってしまいました。残された私は
悲しむ暇もなくて母の残した足跡を埋められず、色々非難をうけましたが、「まあ・・・いいや、
母のようには到底出来ない。自分の遣り方でやっていこう!!」と、あきらめとも違うの
ですが、居直ってしまったというか?とにかく自分の遣り方を探そう!と、強く感じた事を
記憶しています。

 一方父親は99才まで天寿を全うしてくれましたが、にこやかな賢い老人で毒の有ること
は言わない、感謝の言葉を口にする・・・もっとも自宅では別の一面もみせていましたが、
「一日でも長生きしようと頑張ってきたが、もうしんどいなあ・・・」と言ったきり徐々に弱り
最後は眠るような臨終でした。年寄りになったら「可愛らしいお婆ちゃんにならなくては!」
と言うのが私の目標の一つになりました。感謝の一言で周囲を和ませることができる。
そして卑近な言葉ですが、自分も得をする・・・とても大切なことではありませんか?

 そしてなによりも痛恨事はふたりの息子に大病をさせてしまったこと、その結果長男を
死亡させてしまったこと・・・成行で仕方のなかったことかもしれませんが、申し訳ない事
だったと、心から離れる事がありません。長男は慢性骨随性白血病、骨随移植を受け
ましたが、体内で白血球同士が攻撃しあって、本当に無残な死に方をさせてしまいました。
私は最後まで苦しみを分かちあえなかった自分を責めて、生まれ変わって出会う事が
できたら詫びなければと常に考えています。でも長男は27才の人生でしたが、自分の
目的も楽しみもある程度達成した結構中身の詰まった人生やったなあ・・・と、今になって
漸く思えるようになった今日このごろです。

 さてお寺での日常・・・「大変やなあ」「結構やなあ」皆様から色々な評価をうけたり、
興味を持って戴いたり・・・しかし、この頃はマイナスイメージの方が強いのではないか?
と、とても気がかりです。
寺族婦人の立場からいえば、日常は24時間体制で拘束時間が長いこと、常に雑用で仕事
の成果が見えないこと、有り難いことは、お寺の慶事や弔事にも皆で思いを共有してもら
えること、良きこと悪しきこと「あざなえる縄の如し」で区別のつかないように感じられます。
ご本山からの指導では「住職は現在・過去・未来の大導師としての役割を担い、寺族婦人
は雑巾のごとく世の人々の心の塵を払ってあげなさい」との指導を受けたことがありますが、
私たちは住職の補助として、皆様の悩みや要望を伺い、出来るだけ笑顔で聞き役に徹し、
心晴れやかにご自宅にお帰り戴くよう務めています。

 そして一般の皆様からご覧になれば、わかりにくい仏事のこと・・・、お坊さんは檀(仏壇)
の前に座って、指を組んだり、ブツブツ言ったり何してるんやろ?判れへんなあ?とか思って
おられないでしょうか?住職は皆様のかわりに、壇上にご本尊さまやお大師さまをお招き
して、ご祈願やご回向の趣旨を仏様につたえ、仏様のお慈悲や大威神力(だいいじんりき)
を皆様に授けていただくよう作法を行い祈願をしています。皆様の一番気にしておられる
「お葬式」―住職は仏様のお導きを得て、死者の魂を鎮め、安らかに来世に生まれ変われる
ように、お手引きをしております。
宗教者は皆、この世も来世も安らかに、皆様が満ち足りて心安らかであるよう祈っている
のではないでしょうか?

誰方かが国難とも例えておられた「東日本大震災と福島第三原発事故」・・・直接のお手伝い
ができなくてとても残念ですが、「犠牲者への謙虚な祈り」「供養のこころ」そして何をもって
皆様のお役にたったら良いか!遅きに失しているかもしれませんが、私達は真剣に具体的
に一歩一歩踏み出す必要があると強くかんじています。

「体験発表」のご紹介のつもりでしたが、熱くなりいろいろなことを書き加えてしまいました。
来月は「お盆」を迎えます。8月の「よもやまはなし」はお盆のお話をご紹介できたら・・・
とかんがえています。どうも失礼いたしました。ホームページに訪問して下さる皆様、どうぞ
暑さに負けないで日々をお過ごしください。

合掌


平成23年7月11日

■ 「大震災の年のお盆」―― 平成23年8月
八月に入りました。お盆の季節ですね。 八月一日は伝承によると「地獄の窯の蓋が開く日」
とされていますが、今風に例えるなら、この世とあの世の帳(とばり)の開く日とも言えるで
しょうか?とにかくご先祖さまや懐かしい方との魂の交流のできる季節です。

 日本には古来からご先祖様の供養のため数々の行事がありますが、なかでもお盆は年に
一度ご先祖様が里帰りされる時として、家族や親戚が集い、お墓参りをしたり、門口で迎え火
を焚いたり、盆提灯を灯し、ご先祖の御霊が迷わぬように迎え、精霊棚をお祀リして・お花や
果物・季節の野菜やお霊供膳(りょうぐぜん)などをお供えし、菩提寺のお寺さんにお経を
あげていただき、供養する習慣があります。13日(初盆の場合は7日)にはご先祖さまが
迷わず帰って来られるように迎え火を焚き、お盆提灯を道しるべとして、ご先祖様への追善
供養の感謝と祈りを込めてお飾りいたします。久しぶりにお里帰りされたご先祖さまへは、
季節の食べ物や好物をお供えしてお接待を申し上げ、現在家族が息災で暮らしている様子
を報告して、お喜びいただいてください。15日にはあの世にお帰りになるご先祖様と名残を
惜しみ、来年もお里帰りしていただくようお願いして、帰り道を照らす送り火を炊いてお送
り申し上げます。これを精霊送りと言い、京都の夏を彩る大文字の送り火も、毎年行われる
精霊送りの行事の一つです。 

 円満寺は15日18時より、今年東日本大震災の被災者慰霊の供養も込めて、万灯供養法
要を相務めます。 どうぞ皆様お参りくださいね。
 また 真言宗の伝道パンフレットで心にしみる記事が有りましたので、転載いたします。
どうぞご覧ください。

 ―お盆の行事―
大震災から数ヶ月が過ぎました。 今年も七月・八月のお盆を迎えます。お盆は「盂蘭盆」
とも呼ばれ、13日の迎え盆に始まり、16日の送り盆でおさめます。私たちにとっては、
代々受け継がれてきたご先祖様の御霊(みたま)をおまつりする行事です。
 今は亡き人達との年に一度の心を通わす大切なひとときです。私たちの祖先は心を込めて
お参りやおつとめをしてきました。

 お盆は私たちのいのちの尊厳にかかわるものです。 わたくしたちのいのちは、考えてみ
れば当たり前のことですが、父・母のいのちを戴いたものです。その両親には、それぞれに
また両親がいます。 こうしてたとえば、いのちを10代遡れば、あなたには1024人の
命が受け継がれています。 つまり、それだけのご先祖様がおいでです。あなたは、この1
024人の生命を受け継いで今を生きているのです。 その生命に感謝して手を合わせるの
が、お盆の行事でもあります。

 身近には自分の家族に縁のある亡き方々をお祀りする行事です。 お盆中は、お寺参り・
お墓参りなどして、家では「盆棚」などをまつり、お供えをして供養致します。
 特に今年被災された地域は、菩提寺さまにお参りできなかったり、大津波で家屋が流され
て、仏壇や位牌もなくなり、墓地までも消失した方々もあり、それが気にかかり大変心配です。

 新盆を迎えられない方が沢山おいでではないかと存じます。更に今もって安否不明の方も
いらっしゃいます。 そのご家族の皆様には、心から安寧が訪れるのを祈るばかりです。・・・

中略

 かたちや姿を整えていくことは大切な心がけですが、それができない時ほど、おもいやる
真心を供えて棒げ伝えていきたいものです。

―みえなくても  お花を供えたい
 食べなくても  美味を供えたい
 聞こえなくても  話したい
 見えざるものへの 真心は美しい―――「伝道句」

合掌

平成23年8月5日


※7月にいなみ野学園のクラブ活動で信州と高山に旅行しました。
  写真を掲載しますのでご覧くださいね。
   
   
   
   
   


■ 秋彼岸よもやま話―― 平成23年9月
9月の始まりと共に台風12号が本州に襲来してきました。・・・招かれざる客――台風発生
の頃は太平洋の遥か南方で西日本には関係なさそうな、よそ事のように思っていた罰なの
か、余りにもゆっくりな台風のあゆみに記録的な大雨の被害に・・・人間の力ではどうしようも
ない大自然の猛威に、立ち尽くして通り過ぎるのを待つばかりでした。あちらこちの記録的
な大雨、洪水や土砂崩れ―
テレビを見ながら、少しでも被害が少ないよう祈るばかりでした。

 3月11日に起きた東日本大震災、福島第一原発事故・・・お手伝いしたりお慰めしないと
いけない私達なのに、更に苦難が襲ってくるとは本当に残念でなりません。私たちも加齢の
ため阪神大震災の時のような活動が出来なくなりました。でもできる時に出来ることをしな
くては・・・秋彼岸法要の時に皆様にご喜捨を募り、それを元手に活動をしてはどうか!と
思っています。

 さて秋彼岸の季節が巡ってまいりました。今年はお中日(秋分の日9/23)を挟んで前後三
日間(9/20〜9/26)とされています。「彼岸(ひがん・かのきし)」はもともと「悟りの境地」を意
味する言葉ですが、バランスのとれた安らぎの境地を意味するのではないか?と思われ
ます。

 一方この世は仏教語で「此岸(しがん)」ともいわれ、生存競争の激しい、悩みと迷いに満
ちた現実世界とされています。彼岸は迷いの世界を乗り越え、少しでも「ゆとりの心、安らぎ
の心」を得られるように、自分を修行する七日間でありたいものです。

 お彼岸はお盆に比べ少し印象の薄い行事かもしれませんが、この七日間家族全員で日常
生活を振り返って、お墓参りやお寺にお参りをして、「命」をいただいた遠き近きご先祖さまに
感謝を申し上げ、日頃のつながりのある皆様とのご縁に感謝する数日間を過ごそうではあり
ませんか。

 お釈迦様は、この世の全てのものは、多くの縁が寄り集まって仮に存在し、なにものも永
遠に留まり続けることはできないと説かれています。私達は考えも及ばない程の沢山のご縁
がむすびついてこの世に生まれ、その結びが解ければあの世に旅立っていかなければなり
ません。縁は私たちの願とは別に私たちを縛り苦しめることもあります。しかしながらそのご
縁の中で生きていることに気付いた時に、それは生きる支えとなるのです。

 目には見えなくても、触れることはできなくても、季節が移り変わりながらつながっている
ように、あの世とこの世、そして私たちとご先祖さまも繋がることができるのです。お彼岸
は亡き人とのつながりを思い出し、おおくのつながりに支えられて生きる自分自身を見つ
め直す大切なときです。数多くのご縁に感謝して、また誰方の支えになれるよう努力して、
共に安らぎの彼岸に到れるよう、支え合う日々を過ごしていきましょうね。

 さて円満寺は新しい納骨壇のお部屋ができました。円満寺にご縁の仏様が次々お仲間に
入ってこられます。20日からのお彼岸法要もきっと賑やかな法要になることでしょう。どう
ぞご先祖さまへのご縁を大切にお誘い合わせてお参りくださいね。

合掌

平成23年9月6日


※今月は8月万灯供養の写真と久しぶりの秋空をごらんください。
   
   
   


■ 「大震災から半年」―平成23年10月
十月にはいり、一気に秋冷肌に沁みる侯となってまいりました。秋雨前線が南下して、入れ
替わりにシベリアからの高気圧が日本列島を訪れ、朝夕の冷え込みとともに爽やかな風邪
が吹きわたっています。

 でも夏から秋への移り変わりは、もう少し優しい訪れがありがたいですね。福島をはじめ
とする東北の被災地の皆様や、台風12号の和歌山紀伊山地の被災者の皆様にとっては、
尚更影響のある季節の変化ではないか?と案じられます。

 自分の身に例えては申訳ないのですが、日本人は過去に遡って考えても色々な出来事・
事件に当時は影響されても執着心が少ないというか辛抱強くないというか、直ぐに記憶が
薄れ軽く考えてしまう傾向があるように思えて、自分の反省も含めてとても残念でなりません。

 それにしても我々関西人は底抜けに明るくて親切、発言力がありちょっと図々しい・・・、
東北の皆様とは感性が違うのではないでしょうか? 私ならあんなに静かに謙虚に大被害を
生活の変化を受け入れる事が出来ただろうか?きっと大騒ぎして何も出来なかったのでは
ないか?と、思わず反省してしまいました。

 日本政府の対応の甘さに世界から様々の非難が集まりましたが、一方大震災と大津波・
原発事故の被害を受けた東北の皆様へは、節度ある態度・謙虚さ・自分の役割を果たす
責任感の強さに世界中から賞賛が集まりました。

 またこの度の大被害の搜索や救助・原発事故への命懸けの対応に追われた自衛隊の
皆様、東京電力の現場の皆様、自分も被災者でありながら地震や津波の現場にとどまって
苦しむ人々のを救済を続けている有志の皆様、継続してボランテイア活動を行なって下さる
方々に心からの激励とお礼を申し上げたいと思います。自分に出来ていることは本当に
些細なこと・・・でも皆様の活動に日本人として、とても誇りに思いたいなあ!応援したいなあ!
と常に思っています。

 でもこれから日本としてどのように復興に対応したら良いのでしょうか?まず私達が勇気
を持って、現実をはっきりしること、起こった出来事を正確に理解できる情報が欲しいこと、
とにかく被災者が生活できるよう、働ける仕事場を提供するよう応援すること・・・また原発
事故の後始末は――放射能を除去して人間が安全に生活できますように、海や山、ふるさと
が一日も早く浄化できたら・・と心から願いますが、チェルノブイリの事故後何十年経ても
元通りにはならない!福島の原発事故はその何倍もかかるかもしれない?とのコメント
を聞きましたが、日本の叡智を集めて東北の災害に対応してほしい!国会や政府が臨時に
福島に駐在してもよいではありませんか?もっと被災者の気持ちがわかる政策ができる
のではないかと、思います。

 住み慣れた故郷から避難して、帰宅できるのが何十年後になるかわからない被害者の
気持ちを考えてみましょう!それがもし自分ならばどうでしょうか?

 「できる時にできることを・・・」と思いながら、具体的なことができない自分を恥じながら、
心から皆様をお慰めしたい!と、思いながら「よもやま話」をかいています。

 今月は円満寺のニュースがすくなくて、思いつくことをつらつらと書き、思わず熱くなって
しまいました。

 今月は西国三十三箇所京都滋賀方面を10月20日〜21日の予定で参拝します。またの
報告をお待ちくださいね。

合掌

平成23年10月3日

■ 「お十夜の季節」――平成23年11月
十一月に入りました。大分日暮れが早くなってきましたね。日中は残暑を偲ばせるような
暑さですが、朝夕の肌寒さや澄み渡った大空に、深まりゆく秋を感じる今日このごろです。

 さて、十一月は「お十夜」の季節ですね。「十夜法要」は浄土宗で行われている「十夜念
仏法要」が有名ですが、真言宗では「五日(ごにち)三時(さんじ)の法要(五日間一日三座
つとめる法要)」とも言い、弘法大師空海さまの師僧であられる「恵果阿闍梨」さまが、恩師
不空三蔵様のために唐の長安・青龍寺において修せられた、報恩謝徳法要がはじまりで
した。日本では、お大師様が 唐より帰朝された後、恵果阿闍梨様への報恩謝徳のために
京都高尾神護寺で営まれた法要が始まりとされています。
 日本人は豊穣収穫のこの季節に天地や生命への感謝をこめて収穫物をささげ、ご先祖
さまへの感謝を込めて総供養を行ってまいりました。

 円満寺ではご先祖さまへの塔婆供養と、有縁無縁の精霊をお慰めするために水施餓鬼
を務めます。また法要の前に四国から服部僧正さまをお迎えして、わかりやすい法話をし
ていただきます。
 どうぞ皆様御揃いでお参りくださいませ。

 また今月の17〜18日には四国八十八ヶ所参拝をいたします。この度は35番清滝寺〜40
番観自在寺を参拝する予定です。地域は高知県西部――円満寺から見れば一番遠方で
すが、秋深まったこの季節に修行の道場(徳島=発心、高知=修行、愛媛=菩提、香川
=涅槃)で遍路を務めるのは、とても有り難い出会いと、楽しみにしています。お大師さま
にお縋りして、旅の平安と災害物故者への慰霊の旅にしたいと考えています。

 さて先月の西国三十三箇所参拝のご報告――この度は10月20、21日京都方面の参拝
で10番三室戸寺から20番善峯寺まで、お天気にも恵まれ山深いお寺や街中のお寺―平
安京や大津京、古都に近いせいか、それぞれの歴史やエピソードがあり、それぞれの魅
力のある観音さまへの参拝と共に、緑あふれる風景の中に色付き始めた紅葉がちらほら
と・・・本当に楽しみながらの参拝になりました。でも時間が足りない!!!
 もうちょっとゆっくりお参りしたいなあ・・・と言うのが実感でした。

三室戸寺
   
三井寺@ 三井寺A

 心惹かれたのは「清水寺」――あのお寺さんは西国三十三箇所のお寺というよりも日本
人のお寺!という感じですね。もちろん「清水の舞台」とか「桜の名所」とかのコンセプトも
あるのですが、あれだけ人を惹きつける観音様のお力(お慈悲・大威神力)は何と言うパワー
でしょうか?

   
清水寺@ 清水寺A

 本堂の外陣からですが、「本尊さまのご詠歌」と、東北地方大震災犠牲者慰霊のための
「追弔和讃」を皆様と共にお唱えできたのは感動でした。それから「六波羅密寺」空也上人
のお寺・・・本当に民衆のお寺という感じが見受けられます。でも以前に参拝したときよりも
ガードが高くなり、ちょっと敷居が高くなったような・・・、空也上人さまは皇子さまでありなが
ら、くたびれた衣をまとい、鹿の毛皮を背に杖をつき、杖を付きながら「南無阿弥陀仏」と唱
えて民衆の苦しみを救ったとされていますが、その空也上人像も宝物館にはいってしまい、
私一人で空也さまにお出会いしてきました。空也様の口からは「南無阿弥陀仏・・・・」ちっち
ゃな阿弥陀様が現れていて、とても身近に慕われる高僧であられたのだと今更ながら感じ
ることができました。
 そこにはとても魅力的な平清盛像も展示されており、とても個性的な清々しい男性像に
見受けられました。

 ご紹介したいお話もあるのですが短いご紹介で申し訳ありません。
 また、この度参拝したお寺で、大震災犠牲者の為の御詠歌を皆様とお唱え出来たのは、
とても有難いことだと喜んでいます。私たちの心が通じ、観音様のお慈悲が東北の津々浦
々に届きますよう祈っています。

合掌

平成23年11月4日


■ 「卒塔婆の話」――平成23年12月
12月を迎えました。今年の気候は気温差が激しくて、いきなり日中でも10度以下の日が2日
ほど続いたら、また急に20度近くなったりで、体温調節が難しく風邪がなかなか治らなくて、
苦労する日々が続いています。読者の皆様方は、お変わりなくお過ごしでございますか。
 今年は秋らしい秋の日々が少なくて、いきなり本格的な冬が訪れそうで、目にも鮮やかな
紅葉を楽しみに待っていたのですが、とても実現しそうにありません。

 東日本大震災に見舞われた被害者の皆様は山々の紅葉とともに本格的な冬が訪れたよ
うで、どのようにお過ごしか?ととても気がかりです。地震と津波のせいで三陸の漁港では
海底のがれきで網を使用できなかったり、設備が整わず市場が再開できない・・・高台の仮
設住宅で孤立したお年寄りの自殺者が増えていること、福島原発事故で故郷に帰る見通し
が立たない、放射能の影響で酪農ができない、米や野菜の収穫物を出荷できない・・・三陸
周辺や福島付近では山野が荒れて人が住めなくなるのではないか?と不安に駆られますね。
そして未曾有の大災害で行方不明の犠牲者の霊をどのように供養されているのか!!!

 こんな場合は宗旨宗派にこだわらず、慰霊地に卒塔婆を立てたり、十字架を立てたりetc・・・
みんなで供養すればよろしいのでは、ないでしょうか。
「供養の功徳」として「卒塔婆のはなし」を転載してご紹介します。

…今から約2500年前お釈迦さまが入滅された後、その亡骸(なきがら)は荼毘(だび)に付さ
れました。その遺骨を仏舎利といいます。やがて弟子や信者の間で、お釈迦様への崇敬の
念が高まるにつれて、仏舎利への信仰がおこり、舎利は釈尊の身代わりとされる程尊ばれ、
礼拝の対象となりました。この仏舎利を保存し礼拝するために造られたのが塔婆のはじめ
です。

 塔婆の頭部は五輪塔を簡略化した形で、宝珠・半月・三角・円・方形をしています。これは
万物の根元をなす空・風・火・水・地の五大をあらわしたものです。この五大に仏様が輪(りん)
円(えん)具足(ぐそく)している(まどかに充満している)ので「輪」をとって五輪といわれてい
ます。また五輪は人体の頂(あたま)・面(かお)・胸・臍(へそ)・膝(ひざ)の五処を表わし、この
肉身そのまま五智圓満の仏身であると見なし、墓標や供養塔として造立されるようになった
のです。「この仏塔をみるは仏身を見るなり、仏塔を拝するは清浄の仏体を拝するなり。功
徳(くどく)荘厳(しょうごん)の聚(あつ)まる処にして、仏身相好(そうごう)の圓満せる霊塔なり」
と言われています。

 このことから塔婆は「功徳聚(くどくじゅ)」とも訳されており、いわば年忌法要のために勤め
てきた仏事の功徳のすべてが、この卒塔婆に結集されて、故人に供養され回向され、仏果
(ぶっか)増進(ぞうしん)の糧(かて)となるのです。また塔婆を一基建立することは仏像を一
体建立するのと同じ功徳があるとされるので、法事ではできるだけ一施主一基の塔婆建立
を進めているのです。
 忌日・年忌にはそれぞれ守護仏さまがおいでですが、建立された塔婆の上にはそれぞれ
の仏様の浄土世界が広がり、仏の世界の住人となった霊位の安楽の境地をあらわしていま
す。

 少し難しいお話を書いてしまいましたが、身近かなご先祖様への供養とともに不慮の事故
災害で死亡された有縁無縁の精霊に対する敬虔な心、被災された皆様の悩みや苦しみを
分かち合う気持ちをもち続け、お手伝いしたいものです。

 お塔婆の写真と共に砥峰高原のススキ、今年の泉涌寺の紅葉の庭の写真をご紹介します。

お塔婆
   
砥峰高原@ 砥峰高原A
   
泉涌寺@ 泉涌寺A

 扨 年末が近づいてまいります。ここ一年にたまった周囲の塵・心の塵を掃き清め心新に
新年を迎えられるよう準備にかかりましょう。
 大晦日には11時40分より除夜の鐘・引き続いて元旦・新年正会を勤めます。どうぞ皆様
初詣にお参りくださいませ。

合掌

平成23年12月6日